久元 喜造ブログ

危険家屋撤去の代執行

160709
先週、須磨区妙法寺にある空家の共同住宅2棟について、行政代執行による解体撤去を実施しました。
写真にあるようにきわめて危険な状態にあり、もうこれ以上放置できないと判断したからです。

私は、空家等対策の推進に関する特別措置法(空家特措法)の成立を強力に働きかけ(2014年11月21日のブログ)、老朽空家対策を進めてきました。
今回のケースは、この法律の施行前から建築基準法に基づく指導や命令を行っていたことから、建築基準法に基づく代執行となりました。
老朽危険家屋に対しては、市長に就任してから、今回の2件を加え、計6件の代執行を実施したことになります。
代執行は、公権力により私有財産に強制的に変更を加える行為であり、行政としてとり得る最終手段です。
老朽空家の所有者に対しては、まず自主的な改善を指導し、それでも改善が見られないときは勧告、命令を行い、なお解決に至らない場合であって、市民の生命、身体に危険が差し迫っているときに代執行に踏み切ることになります。

平成25年の住宅・土地統計調査によれば、わが国の空家比率は13.5%で、神戸市もほぼ同水準の13.05%です。
引き続き、空家対策を強力に進める必要があり、6月市会では、「神戸市空家空地対策の推進に関する条例案」を提案し、成立しました。
今年度からは、区役所や関係課による全庁的な実施体制も整えました。
関係の職員のみなさんも頑張ってくれています。
財産権の制限に踏み込むことになる難題ですし、所有者が不明のケースも増えていますが、市民のみなさんの理解を得ながら立ち向って行くつもりです。