久元 喜造ブログ

霞ヶ関。有能な若手が辞めていく・・・


霞ヶ関の中央官庁で働く国家公務員に異変が起きています。
若手が次々に辞めているのです。
私が現役であった10年ほど前は、総務省の旧自治省系の職員が辞めることはほとんどありませんでした。
それが、この年度末にはかなりの若手職員、それも将来を嘱望されていた優秀な職員が複数辞め、関係者に衝撃を与えています。
このような傾向はここ2,3年強くなり、名簿を見ても、若い世代のページを開くと、勤務先が空欄になっている人が目立ちます。

若手の退職が相次ぐ現状はもちろん憂慮すべきであり、その原因を明らかにし、若手を含む職員がやりがいをもって職務に精励できるような環境をつくっていく必要があります。
官民問わず、どのような職場であっても、自分がやっている仕事が、人のために、社会のために役立っているという感覚を持つことができるかが大事です。
ところが、もう20年以上前からしばらくの間、政治の側から激しい「公務員バッシング」が行われました。
いつの時代にも、国民の間には「役人」に対する不満があり、一部の政治家がそのような不満に乗じて公務員批判を繰り広げ、拍手喝さいを浴びたのでした。
公務員制度改革担当大臣が「退職する事務次官をオークションにかける」と嬉々としてマスコミに話していたことも思い出します。

長年続けられてきた批判や攻撃のために、公務員が自らの自画像を描きにくくなっているとすれば、かなり根本的に対応を考える必要があります。
法律の条文ミスを責め立てても、職員は委縮して元気をなくすだけです。
ミスが生じないような手立てが必要です。(2021年4月3日のブログ
官僚組織の劣化のツケは、結局は国民に回ります。