久元 喜造ブログ

日本は次世代へのツケ回し大国だ。


プレジデント」(2018年9月3日号)に、池上彰さんとジャック・アタリさんの対談があり、興味深く読みました。
その中で、アタリさんが創設した財団「ポジティブプラネット」による調査が紹介されていました。
OECD(経済協力開発機構)に加盟する34カ国が、国民に対してどのような将来を準備するキャパシティを有しているか(国家のポジティブ指数)を測る調査です。
毎年公表されている統計値を基に、29項目の指標により比較しています。
2017年の結果は、1位がノルウェー、2位がアイスランド、3位がスウェーデン、以下、デンマーク、ニュージーランド・・・と続きます。
これらの国は、最もライフクオリティが高く、国民に明るい将来を準備できているとされます。

最下位は、ギリシアで、ハンガリー、トルコ、メキシコと続き、下から5番目が日本。
日本は、34カ国中、30位でした。
「人口の減少、公的債務の多さ、女性の地位の低さなどがメインの理由です」とアタリさん。
今の世代が、減り続ける将来世代にツケをずっと回しているということです。

神戸市の経常的経費を見ても、年間の行政コスト 6188億円のうち、812億円が、赤字地方債などにより将来世代の負担に回されています。(平成28年度決算)
日本のすべての自治体がこのような状況になっているのです。
社会の持続性を確保するためには、社会保障経費について抑制を図るとともに、給付と負担のアンバランスを見直していくことが必要です。
子どもたちが大人になったときに背負う負担を少しでも減らしていくために。
そしてこれから生まれてくる将来世代のためにも。