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神戸市長として:2期

2017年(平成29年)

11月20日、神戸市長としての2期目の任期が始まりました。

12月1日、神戸医療産業都市を展開するポートアイランドに、「神戸アイセンター」が開設されました。眼科領域において、さまざまな疾患に対し最適な医療を提供するとともに、世界最先端の基礎研究、臨床応用、治療、ロービジョンケアまでトータルで対応できる全国初の施設です。

2018年(平成30年)

港湾当局の発表で、神戸開港150年記念事業が実施された2017年(平成29年)、神戸港の総コンテナ取扱個数は、292.4万TEU(TEU:20フィートコンテナ換算個数)となり、過去最高となりました。これまでの最高は、震災前の1994年(平成6年)でした。神戸港は、震災で壊滅的な被害を受け、取扱個数が激減しましたが、関係者の努力により、震災前の港勢を回復しまいした。

2018年は、三宮・都心再整備の計画を具体化させる作業が大きく進んだ年でした。3月、新たな中・長距離バスターミナルの整備に向けた「雲井通5・6丁目再整備基本計画」を策定しました。5月には、地元地権者の出資によって「雲井通5丁目再開発株式会社」が設立され、10月には、事業化検討のサポート役となる事業協力者を決定しました。バスターミナルの建設に伴い、建設予定地に立地している中央区役所、勤労会館の移転を考える必要があり、7月に「新中央区総合庁舎整備基本計画」を策定。本庁舎3号館の跡地に中央区庁舎と勤労会館の機能を「新中央区総合庁舎」として一体整備する方針を公表しました。

駅前空間をどのような方針で再整備していくかも重要です。8月には、国土交通省と神戸市が共同で、「国道2号等神戸三宮駅前空間の整備方針」を取りまとめました。国が三宮再整備の当事者として積極的に参画していくことが決まりました。9月には、神戸三宮「えき≈まち空間」基本計画を策定しました。三宮の6つの駅とバス乗降場を1つの「えき」と捉え、「えき」と周辺の「まち」をつなぎ、快適で利便性が高く、美しい景観が備わり、様々な市民活動や交流が展開される神戸の象徴となる新しい駅前空間「えき≈まち空間」の実現を目指すこととしました。11月には、阪急神戸三宮駅東口、JR三ノ宮駅西口北側のアモーレ広場(通称「パイ山」「でこぼこ広場」)の新たなデザインの提案募集を開始しました。12月には、三宮周辺とウォーターフロントの回遊性向上に向け、東遊園地から国道2号が交差する税関前交差点・歩道橋リニューアルの設計コンペを実施し、最優秀作品が決定されました。

新年度が始まり、神戸空港は、コンセッションにより、関西エアポート神戸㈱による運営がスタートしました。コンセッション開始により、神戸空港は、関西国際空港、大阪国際空港とともに、関西エアポートグループによる関西3空港の一体運営が実現しました。

そして、「認知症の人にやさしいまちづくり条例」が施行されました。この条例に基づく全国初の認知症「神戸モデル」は、認知症の早期受診を推進するための「診断助成制度」、認知症の方が事故に遭われた場合に救済する「事故救済制度」を柱としています。制度の実現に必要な費用をまかなうため、市民税均等割に1人あたり年間400円を上乗せし、市民に幅広く負担していただく仕組みを提案し、12月議会で可決されました。制度のスタートは、2019年とされました。

4月には、水素発電の実証試験がスタートしました。水素100%のガスタービン発電による熱・電気供給事業です。市街地における水素発電事業は世界で初めての取り組みでした。水素エネルギーによって生み出された熱(蒸気)と電気は、近隣の公共施設である中央市民病院、国際展示場、スポーツセンター、下水処理場に供給が開始されました。

世界を代表するコンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーのラーニングセンターが神戸に開設されることになり、5月の定例会見で発表しました。米国、オーストリアに次ぐ、世界で3か所目の拠点となります。拠点となるラーニングセンターは、ANAクラウンプラザホテルとホテル直結のオフィスビルのスペースの中に、約3,000平方メートルの規模で、今年の秋頃の開設されることになりました。

9月4日の台風により、関西国際空港が甚大な被害を受け、連絡橋も途絶したことから、関空と神戸空港とを結ぶ海上交通、ベイシャトルを緊急運航することとし、関西国際空港に足止めされていた乗客、関係者が神戸経由で脱出しました。また、大阪府の松井一郎知事より、関空の全面復旧までの間、神戸空港が代替機能の一部を担ってほしい、との要請を受けました。国土交通省航空局長からの要請も踏まえ、神戸空港における国際線・国内線の代替受け入れが行われることになりました。関空の被災による関西経済の影響を最小限に食い止めるため、関西の各地域が一致協力した対応を行いました。

秋が深まる中、神戸市職労の組合員である市職員の一部が、適法な手続きを経ることなく、違法に組合活動に従事しているとの情報に接するようになりました。いわゆる「ヤミ専従」です。かつて国や自治体で横行していたのですが、もうとっくの昔に根絶されたと考えられていたので、たいへん驚きました。まずは事実を明らかにすることとし、直ちに弁護士で構成される第三者委員会を立ち上げ、調査を開始しました。第三者委員会による調査は、迅速に進められ、中間報告などが次々に提出されました。長年の不明朗な労使関係が次第に明らかになっていきました。

9月25日、かねてより進められてきた市街地再開発事業による鈴蘭台駅前再開発ビルがオープンしました。再開発ビルの1~3階には商業・業務施設が入居し、4~7階には北区役所の新庁舎が移転しました。神戸電鉄・鈴蘭台駅の橋上駅舎も完成し、開発ビル3階と接続しました。 この事業の完了により、鈴蘭台の駅前はその佇まいを一新することになりました。

12月24日、「関西3空港懇談会」が8年ぶりに開催されました。関西国際空港、伊丹の大阪国際空港、そして神戸空港の役割分担などを議論する懇談会で、国土交通省、関係自治体の知事・市長、㈱関西エアポート、経済界などから構成されます。この4月に神戸空港のコンセッションが行われ、3空港一体運用が実現したこと、台風21号による被害を踏まえた災害対応力の向上が課題となっていることを踏まえ、3つの空港の最適活用のために何をすればよいのかについて議論が交わされました。私からは発着枠の拡大、運用時間の延長などが求められることを説明しましたが、大きな異論が出されることもなく、神戸空港をめぐる環境が大きく変わってきていることに手応えを感じました。

12月27日、北神急行電鉄の市営化について、阪急電鉄の杉山健博社長と共同記者会見を行いました。北神急行電鉄は、神戸市営地下鉄・西神山手線と相互乗り入れを行っていますが、初乗り運賃がかかるため、谷上・三宮間が約11分で550円と高額になっています。両者は、北神・摂津地域と三宮など都心の活性化を図る見地から、北神急行電鉄を神戸市が譲渡を受ける協議に入ることで合意しました。

2019年(平成31年/令和元年)

認知症「神戸モデル」は、診断助成制度と事故救済制度を組み合わせて実施する、全国で初めての試みです。1月28日から、診断助成制度がスタートしました。診断助成制度は、65歳以上の市民のみなさんを対象に、認知症診断を無料で実施する制度です。認知症診断は、二つの段階で実施します。第1段階は、認知症の疑いがあるかどうかを診る「認知機能検診」。第2段階は、疑いがある方を対象に、認知症かどうかと、病名の診断を行う「認知機能精密検査」です。

1月31日、いわゆる「ヤミ専従」問題に関する第三者委員会の報告が提出されました。最終報告では「ヤミ専従」という世間の常識から懸け離れた職場慣行が数十年にもわたって続いてきたことが明らかにされました。長年にわたって、おかしいことをおかしいとは言えない、世間の常識からかけ離れた組織風土が形成されてきたと考えられます。早急に、このような慣行の是正、関係者の処分、不当に支払われてきた給与の返還請求などを行うことにしました。

4月1日の昼、新しい元号が「令和」と決定されました。この日の午後、神戸市の新規採用職員への辞令交付式が行われ、新元号の趣旨にも触れながら、歓迎の言葉を申し述べました。この日、岡場の北神支所を格上げして、「北神区役所」を設置しました。北区で二つ目の区役所になり、一つの区に複数の区役所ができるのは全国で初めてでした。また、北図書館北神分館を、隣接する商業施設に移転・機能拡充させ、「北神図書館」を設置しました。

新長田の再開発地区に建設を進めてきた「新長田合同庁舎」が完成し、7月6日、完成式典が行われました。県と市の合同庁舎の設置という、全国的にもほとんど例を見ない、思い切った決断をされた井戸知事、兵庫県議会をはじめ、兵庫県の関係各位に改めて御礼を申し上げました。今回の合同庁舎の設置に伴い、合計約1,050名の県・市職員が、三宮などから新長田に移転することになりました。大橋地下道のリニューアルも完了し、案内サインも一新されました。

10月に入ると、神戸市立小学校での教員間いじめ行為が発覚し、広く報道されるようになりました。言葉を失うような内容でした。学校の管理や教員の指導・監督は教育委員会の権限ですが、まずは事実関係の究明が急務であり、直ちに外部の専門家による調査チームを発足させることとしました。教育委員会への批判が強いことを踏まえ、人選などは、教育委員会からの委任を受けて市長部局が行うこととしました。おぞましい行為を行った教員が有給で休暇を取っている状況は、到底看過されるものではないと判断しました。条例の改正が必要であり、条例提出権は市長にあるため、分限・懲戒の条例改正案を議会に提案し、可決されました。教育委員会は直ちに加害教員に無給の分限休職処分を行いました。

この年の秋には、少年時代の想い出などを盛り込んだ「神戸残影」を出版することができました。

2020年(令和2年)

新しい年を迎え、年初の記者会見で、名谷、垂水、西神中央の各駅前とその周辺を再整備する計画を発表しました。神戸市でも都心への人口の集中が見られます。都心居住へのニーズには的確に対応していく必要がありますが、都心に高層タワーマンションが林立し、小中学校、保育所、幼稚園などに過密が生じる一方、商業・業務機能が衰退し、神戸が大阪のベッドタウン化していくことは好ましいことではありません。都心の再生とともに、郊外を含めた神戸のバランスの取れた街づくりが求められます。垂水・名谷・西神中央は、乗客数が多い拠点駅であり、それぞれの駅や街の個性を踏まえた整備計画を策定しました。商業・業務機能、文化機能、子育て環境などを充実させるとともに、駅周辺の居住環境をより魅力のあるものとする内容を盛り込みました。

年明けから、中国などにおける新型コロナウイルス感染症の感染拡大が報じられるようになりました。神戸市でも警戒を強め、1月29日には「神戸市新型コロナウイルス関連肺炎情報連絡会」を開催し、当面の方針を発表しました。感染は国内でも広がり、3月3日には市内で初めての感染者を確認。直ちに新型コロナウイルス対策本部員会議を開催し、感染状況の把握、PCR検査の実施、感染者の入院と治療に当たることとしました。国の方針を受け、教育委員会との緊密な連携の下に学校の休業・再開への対応に当たりました。4月7日、国の「緊急事態宣言」発令を受け、兵庫県が緊急事態措置を実施すべき区域として公示されました。これを受けて直ちに対策本部を設置し、感染拡大防止と適切な医療・救急体制の確保を最優先としながら、市民に対する迅速かつ正確な情報提供、安定的な市民生活の確保などに全庁体制で取り組むことにしました。初めて迎える事態の中で、中央市民病院などで大規模な院内感染が発生ましたが、関係者が一丸となって立ち向かい、5月中旬頃から感染者は減少に転じ、ゼロの日も続きました。しかし、海外の状況や1世紀前の「スペイン風邪」の経験などを踏まえれば、第2波とも呼ぶべき感染の再来は必ず起こるとの見通しを立て、中央市民病院における重症者対応を強化することとし、本館西側の職員駐車場に36床の臨時コロナ重症者専用病棟の建設を決定しました。

5月からは、国の特別定額給付金の支給がスタートしました。神戸市は、職員と民間事業者、スタッフのみなさんが一丸となって業務にあたり、大都市の中では札幌市とともにもっとも速いペースで支給を進めました。6月下旬には給付率は9割を超え、早期に完了させることができました。

6月1日、北神急行電鉄が市営化され、市営地下鉄・西神山手線と一体運行がスタートしました。谷上駅で、簡素な記念式典を開催しました。今日から、谷上・三宮間が、550円から280年になるなど、全線にわたって大幅に値下げされることになりました。

市内の感染者はしばらくゼロの日が続くなど落ち着きを見せましたが、7月下旬から感染者が増え始め、第2波の到来となりました。神戸市は、9月18日、「警戒本部」を「対策本部」に改組し、PCR検査体制、医療提供体制の強化などを図りました。

いったん感染がいったん終息する中、三宮再整備計画の一環として、神戸市役所庁舎2号館を解体することとし、10月29日に「お別れ式典」を開催しました。市役所庁舎2号館は、1957年(昭和32年)、神戸市役所の4代目の庁舎として建設されました。1989年(平成元年)には今の1号館が建設され、2号館となりましたが、神戸市政の中枢としての役割を果たし、神戸の発展を見守り続けました。1995年(平成7年)1月17日の震災では壊滅的な被害を受け、6階部分は完全に押し潰されました。余震が続く中、懐中電灯を片手に、危険を冒して書類やデータを取りに行った職員もいたと伝えられます。式典で矢田立郎前市長は、「この庁舎は、国際会館、新聞会館とともに、戦災復興の象徴でした」と挨拶されました。

11月から再び感染が拡大し、第3波の到来となりました。11月9日、かねてより整備を進めてきた中央市民病院のコロナ重症用臨時病棟が運用を開始しました。ギリギリのところで第3波に間に合いました。遠隔診断システムなど最新の機器を備えた臨時病棟で、医療従事者のみなさんによる懸命の治療が始まりました。師走を迎えて感染者は増え、12月17日、対策本部会議を開催して、年末・年始の医療体制の確保策を含め、感染予防、検査・医療体制の強化を決定しました。

このような中、六甲山に敷設を進めている光回線が12月25日に開通したことは、明るいニュースでした。記念式典は、イベントスペース「リネスト六甲山」が開催され、出席者からは、神戸市が進める「六甲山上スマートシティ構想」への期待が表明されました。

2021年(令和3年)

新年を迎えた神戸市内の元日の新規感染者は、32件。感染の拡大が続きました。私は、関西として足並みをそろえた対応の必要性を井戸知事に申し上げ、1月5日、兵庫県庁の近くで関西広域連合の会合が開催されて議論が交わされました。

1月7日、国は、関東1都3県に緊急事態宣言を発出。神戸市は、1月13日の関西府県への適用を待つことなく、法律に基づく対策本部を設置し、これから想定される感染拡大に備えました。すでに特別養護老人ホームなど高齢者施設でのPCR検査を実施していましたが、官民連携による検査機関や市医師会による検査センターによりPCR検査体制の増強を行いました。民間病院の協力もいただき、コロナ感染者のための病床を増やすこととしました。

コロナとの戦いが1年にも及び、コロナ禍を終息させるために期待される手法がワクチン接種でした。神戸市は、国の方針を踏まえ、ワクチン接種を安全かつ迅速に進めるため、2月5日、医師会、民間病院協会、薬剤師会とともに、「ワクチン接種連携本部」を設置し、一体となってワクチン接種を進める態勢を整えました。

2月28日、緊急事態宣言の適用は、関西3府県の意向を踏まえ解除されましたが、感染状況は予断を許さず、引き続き、緊張感をもって対応することを関係者間で確認しました。残念ながら、解除後しばらくして、感染者数は急激に増加し、第4波の来襲となりました。

4月半ばになると、感染者は急激に増加し、4月23日には過去最高の250人となりました。保健所は必死に入院調整を行い、医療現場では懸命の治療が行われましたが、本来入院できなければならないはずの方々が自宅療養などを余儀なくされる事態が出来しました。医療従事者をはじめ関係の方々の努力には、感謝の言葉もありませんでした。

コロナ禍を最終的に収束させるために期待されるのが、ワクチン接種でした。このような中、国の大規模接種会場は関西では大阪にしか設置されないことが明らかになりました。神戸市は、すでに2月に「ワクチン接種連携本部」を設置し、接種を加速させていましたが、手をこまねいているわけにはいきません。そこで神戸市は、大阪の規模には及ばないものの、独自の接種会場を開設することにしました。歯科医師会の全面的なご協力いただき、ハーバーランドで、大阪での接種開始の翌日、5月25日に接種をスタートすることにしました。さらに、楽天の三木谷浩史会長から提案をいただき、ノエビアスタジアムでの接種が5月31日から始まりました。神戸でのワクチン接種は、全国的に見てもかなり早いスピードで進みました。7月半ばには65歳以上のシニア世代の接種を終え、その後、順次若い世代の接種を進める計画を立てました。6月24日には、16歳以上のすべての市民への接種券の発送を終えた矢先、国からのワクチン供給量が急に削減されることになりました。それまでの接種計画は維持できなくなり、7月2日、すべての1回目予約一時停止と予約キャンセルを発表しました。無念でした。私は、あらゆるルートを使って国にワクチンの追加供給を要請するとともに、井戸知事にも強くお願いし、かなりの量のワクチン供給を確保することができました。7月16日から、順次ワクチン接種を再再開しました。

このようにコロナ対策に奔走している間、市内のさまざまな分野のみなさまから、10月に予定されている市長選挙に出馬するよう要請をいただくようになりました。6月25日、神戸市会において、安達和彦市議から質問をいただき、6月28日、市会の最終日に3回目の市長選挙出馬を表明しました。

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