著書:ネット時代の地方自治

  • ネット時代の地方自治
  • 久元 喜造
    出版社
    講談社(2013年8月刊行)
    定価
    1,500円(税別)

本の詳細

ジェームズ・ブライスの有名な一節―「地方自治は、民主主義の最良の学校」は、いまだマスメディアが十分発達しない時代の、いわば、小規模な地域社会における自治を念頭に置いていたということができる。地方自治の原型は、このような小規模な地域社会における自治の姿であった。

日本の地方自治は、ブライスが 「地方自治は、民主主義の最良の学校」と称揚した社会と、何とかけ離れたところにきてしまったのだろう。

それでもなお、我が国において地方自治は価値を持ち続けることはできるのであろうか。

地方自治が、顔見知りの世界で有効に機能してきた社会の仕組みであったがゆえにその意義が認められてきたのであれば、その前提が失われたのなら地方自治の意義にも疑問が生じてくる可能性がある。

前提が崩れているのであれば、改めて、地方自治とは何なのか、何のために存在するのかについて、突き詰めて考えてみる必要があるのではないだろうか。

本書では、このような問題意識に立ち、ネット時代の自治体の役割は何か、「顔の見える地域社会」への道筋はありうるのか、そして、大都市のありようなどについて、考えてみることにした。

目次
はじめに
序章:ジェームズ・ブライスが見た「地方自治」
第1章:「住民」とは何か、自治体はどう向き合うのか
第2章:住民情報の把握と共有
第3章:ネット時代のコミュニケーションと地域社会
第4章:「顔の見える地域社会」を内包する自治体へ
第5章:「平成の大合併」後の基礎自治体像
第6章:大都市制度論の本質
第7章:ネット時代の議会と首長
あとがき

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