【神戸市職員採用試験問題試作品(平成27年2月作成)】
この問題試案は、2月21日のブログに記したような問題意識のもとに作成した、自治体職員の採用試験問題の試作品です。
試験区分としては、法律職を想定しています。
昨年行われた衆議院の解散総選挙、消費税率引き上げの延期をテーマに選んでいますが、ほかの時事問題に関するテーマも幅広く考えられると思います。
(試問1.)次の文章を読み、以下の問いに答えよ。
◆「アベノミクス」論争を深めたい
デフレ脱却をいかに確実に実現するか。厳しさを増す安全保障環境にどう対応するのか。誤りなき日本の針路を定める機会としたい。
ア衆院が解散された。衆院選は12月2日に公示され、14日に投開票が行われる。事実上の選挙戦がスタートした。
2012年12月に自公連立の第2次安倍内閣が発足して以来、初の衆院選である。衆院選は本来、政権選択の選挙だ。09年と12年は2回連続で政権が交代した。
◆政策推進に必要な民意
今回は、安倍政権の2年間の評価が問われる選挙となる可能性が大きい。野党の選挙準備が大幅に遅れ、過半数の議席を得るには候補者が不足しているからだ。
自民、公明両党は、295小選挙区のほぼ全部に公認候補を擁立するが、野党第1党の民主党の候補は160~170人程度にとどまるとみられている。
無論、それで今回の衆院選の重要性が減じることはない。
イ安倍首相は、景気回復と財政再建の両立、持続可能な社会保障制度の構築、集団的自衛権の行使を限定容認する新たな安全保障法制の整備、原発の再稼働など、困難な政策課題を抱えている。
特に世論を二分する課題の前進には国民の理解と協力が欠かせない。衆院選で新たな民意を得て、政策の推進力を手に入れようというのが首相の総合的判断だ。
自民、公明両党で計326の解散時勢力をどこまで守れるのか。これが首相に対する国民の信任のバロメーターである。
前回、大惨敗した民主党は、どれだけ失地を回復できるか。離合集散を繰り返した維新の党や次世代の党などは、生き残りをかけた戦いとなる。
その結果は、今後の日本政治の行方に重大な影響を与えよう。
◆建設的な対案が必要だ
各党は、政権公約の策定を急ぎ、新たな国家像や様々な課題の処方箋を示すことで、国民に選択の判断材料を提供する責任がある。
中でも大きな争点は、ウ経済政策「アベノミクス」である。
安倍首相は記者会見で、今回の解散を「アベノミクス解散」と名付け、「私たちの経済政策が間違っているのか、正しいのか、国民に伺いたい」と語った。「デフレ脱却には、この道しかない」とも強調している。
野党は、エ消費税率10%への引き上げ先送りは「アベノミクスの失敗の証明」と主張する。民主党の海江田代表は「この2年間、社会の格差は拡大し、15か月連続で実質所得が減った」と批判した。
より建設的な論戦にするには、野党が批判に終始せず、対案を示すことが大切である。
17年4月の消費再増税を可能にする環境を作るには何が必要か。各党は、効果的な成長戦略や、増大する社会保障費の効率化策などを競い合ってもらいたい。
オ自民、公明両党は、17年の再増税時に軽減税率の導入を目指すと共通公約に明記することで一致した。軽減税率は、消費者の負担感を和らげる対策として有効で、評価できる。野党も、この議論に積極的に参画することが求められよう。
論点は経済だけではない。
最近、日本の平和と安全が脅かされる事態がク1ケンザイ化している。北朝鮮の核・ミサイル開発の進展や、中国の危険なク2ジイ活動を伴う海洋進出や軍備増強、国際テロなどである。
来年の通常国会は、新たな安全保障法制の整備が焦点となる。与党は、日米同盟の強化に向け、どんな法整備を目指すのか、ク3テイネイに説明することが欠かせない。
◆野党は安保の見解示せ
民主党は、「カ集団的自衛権の行使一般を容認する憲法解釈の変更は認められない」との見解を発表したが、肝心な行使の是非の見解はまとめていない。
維新の党も、「自衛権の範囲の明確化」で対応するとの見解を決めているが、分かりづらい。野党は、早急に自らの立場を明示し、論戦に臨むべきだ。
今回の衆院選は、有識者の第三者機関が衆院選挙制度改革を検討中の段階で実施される。「1票の格差」是正は、小選挙区の「キ増減」にとどまった。
首相が衆院を解散した以上、抜本的な格差是正が持ち越しとなったのはやむを得まい。
だが、次の衆院選までには抜本改革を実現する必要がある。大衆ク4ゲイゴウ的な衆院定数の削減は、優先課題ではない。格差是正と切り離すのが適切だろう。
(2014年11月22日 読売新聞社説「衆院解散 首相への中間評価が下される」より引用。)
- 問1 下線アの内容を正しく説明しているものはどれか。
- ① 衆議院の解散の理由が明確であれば内閣は衆議院を任意に解散することができる。
- ② 内閣総理大臣は任意に衆議院を解散する権限を有する旨、内閣総理大臣の権限として憲法上明記されている。
- ③ 衆議院の解散は天皇が行う国事行為であるが、国事行為に対する内閣の「助言と承認」を根拠として、内閣の自由な解散決定権が認められる。
- ④ 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
- ⑤ 内閣総理大臣は衆議院を解散することによってはじめて国民の民意を確認することができる。
- 問2 下線アについて、新たに国会が召集されるまでの間の過程を正しく説明したものはどれか。
- ① 衆議院が解散されると、会期は終止するが、参議院は開会が継続される。この間、緊急に国会の議決を必要とする事態が生じたとき、参議院において審議し、議決することができる。
- ② 衆議院が開催されると、衆議院議員の総選挙後、新たに国会が召集されるまで、国会の機能は停止する。この間、緊急に国会の議決を必要とする事態が生じたとき、内閣総理大臣は、その議決すべき事件を処分することができる。この場合において、内閣総理大臣は、衆議院議員の総選挙後、新たに召集される国会に報告し、その承認を求めなければならない。
- ③ 衆議院が開催されると、会期は終止し、国会の機能は停止するが、この間、緊急に国会の議決を必要とする事態が生じたとき、総選挙前の衆議院議員により衆議院を開会し、必要な議決を行うことができる。
- ④ 衆議院が解散されると、衆議院議員の総選挙後、新たに国会が召集されるまで、国会の機能は停止するため、緊急の国会の議決を必要とする事態が発生しても対応ができない。
- ⑤ 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。ただし、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
- 問3 下線イの内容を正しく表現しているものはどれか。
- ① Prime Minister Abe faces difficult political issues such as striking a balance between economic recovery and fiscal reconstruction, building a sustainable social security system, preparing for a new bill on national security to limitedly approve the execution of the right of collective self-defense, and restarting nuclear power plants.
- ② Prime Minister Abe faces difficult political issues such as striking a balance between economic recovery and fiscal reconstruction, building a sustainable national security system, preparing for a new bill on social security to limitedly approve the execution of the right of collective self-defense, and restarting nuclear power plants.
- ③ Prime Minister Abe faces difficult private issues such as striking a balance between economic recovery and fiscal reconstruction, building a sustainable social security system, preparing for a new bill on national security to limitedly approve the execution of the right of collective self-defense, and restarting nuclear power plants.
- ④ Prime Minister Abe faces difficult political issues such as striking a balance between economic recovery and fiscal reconstruction, building a sustainable social security system, preparing for a new bill on national security to limitedly approve the execution of the right of individual self-defense, and restarting nuclear power plants.
- ⑤ Prime Minister Abe faces difficult political issues such as striking a balance between economic recovery and fiscal reconstruction, building a sustainable social security system, preparing for a new bill on national security to limitedly approve the execution of the right of collective self-defense, and restarting solar power plants.
- 問4 下線ウはどのような経済政策か。
- ① An economic policy aiming to expand the demand for families with small children by promoting measures for declining birthrate
- ② An economic policy aiming to pull out of deflation by aggressive monetary easing
- ③ An economic policy aiming to expand regional private-sector demand by increasing public work
- ④ An economic policy aiming to pull out of the deflation and increase the national wealth
- ⑤ An economic policy aiming to expand a trade surplus by increasing the amount of exports to overseas countries
- 問5 下線エについて、次のうち明らかに間違っているものはどれか。
- ① 高齢化が進んだ社会でも、世代を問わず一人ひとりが安心して暮らせる社会を実現するために、消費税率の引上げで得られた財源で、全世代を対象とする社会保障の充実を図る。
- ② 消費税率引上げによる増収分は、全て社会保障の充実・安定化の財源となる。
- ③ 急速な少子高齢化が進む中、受益と負担の均衡がとれた持続可能な社会保障制度を構築し、次世代に安定的に引渡していくためにも、社会保障の充実・安定化のための安定財源確保と財政健全化の同時達成を図ることが必要である。
- ④ 消費税率の引上げにより、基礎年金国庫負担割合の2分の1を恒久化するための財源を含めた社会保障の安定財源が確保される。
- ⑤ 消費税率が10%まで引き上げられた場合、消費税率5%引上げ分のうち、約4%分(11.2 兆円程度)は子ども・子育て支援、医療・介護、年金の各分野の充実に、残りの約1%分(2.8兆円程度)は社会保障の安定化のための財源となる。
- 問6 下線オの内容を正しく説明しているものはどれか。
- ① 軽減税率制度については、2016年度に、対象品目、区分経理、安定財源等について早急に具体的な検討を行った上で導入する。
- ② 軽減税率制度については、関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率10%時に導入する。2017年度からの導入を目指して、対象品目、区分経理、安定財源等について早急に具体的な検討を進める。
- ③ 軽減税率制度については、消費税率10%引き上げ時の経済状況並びに税収の減少による国及び地方の財政に与える影響を勘案した上で導入する。
- ④ 軽減税率制度については、2016年度に、関係事業者を含む国民の理解を得た上で、消費税引き上げ時の経済状況を勘案して導入する。
- ⑤ 軽減税率制度については、2017年度に、関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税収の減少による国及び地方の財政に与える影響を勘案した上で導入する。
- 問7 下線カについて、憲法第9条のもとで許容される自衛の措置の内容を正しく説明しているものはどれか。
- ① 憲法第9条はその文言からすると、国際関係における「武力の行使」を一切禁じており、憲法前文で確認している「国民の平和的生存権」や憲法第13条が「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」は国政の上で最大の尊重を必要とする旨定めている趣旨を踏まえて考えると、憲法第9条が、我が国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置を採ることを禁じていると解される。
- ② 自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものであり、そのための必要最小限度の「武力の行使」は許容される。
- ③ 我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、必要最小限度の実力を行使することは、従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置としては憲法上許容されない。
- ④ 我が国による「武力の行使」が国際法を遵守して行われることは当然である。我が国において憲法上許容される「武力の行使」は、国際法上の根拠とされている集団的自衛権に根拠が求められる。
- ⑤ 憲法上「武力の行使」が許容されるとしても、それが国民の命と平和な暮らしを守るためのものである以上、民主的統制の確保が求められることは当然である。政府としては、我が国ではなく他国に対して武力攻撃が発生した場合に、憲法上許容される「武力の行使」を行うために、閣議決定を経て内閣総理大臣が自衛隊に出動を命ずる。
- 問8 下線キについて、正しいものは次のうちどれか。
- ① 8増8減
- ② 4増4減
- ③ 0増5減
- ④ 9増10減
- ⑤ 5増5減
- 問9 選挙に関する以下の判例のうち明らかに誤っているものはどれか。
- ① 公職選挙法第252条所定の選挙犯罪は、いずれも選挙の公正を害する犯罪であって、かかる犯罪の処刑者は、すなわち現に選挙の公正を害した者として、選挙に関与せしめるに不適当なものとみるべきであるから、これを一定の期間、公職の選挙に関与することから排除するのは相当であって、他の一般犯罪の処刑者が選挙権被選挙権を停止されるとは、おのずから別個の事由に基づくものである。したがって、選挙犯罪の処刑者について、一般犯罪に処刑者に比し、特に厳に選挙権被選挙権停止の処遇を規定しても、これをもって条理に反する差別待遇というべきではない。
- ② 公職選挙法第138条第1項の目的は、戸別訪問という意見表明の手段方法のもたらす買収・利益誘 導、生活の平穏の妨害を防止し、選挙の自由と公正を確保することにあるが、この目的は正当であり、戸別訪問の一律禁止と禁止目的との間には合理的関連性があり、禁止により失われる利益は、意見表明の自由の間接的・付随的制約にすぎず、禁止により得られる選挙の自由公正の利益はこれよりはるかに大きいから、当該条項の定める制限は、合理的で必要やむを得ない限度を超えていない。
- ③ 市長が、任期満了の前に、現に市長としての一般的職務権限に属する事項に関し、再選された場合に担当すべき具体的職務の執行につき請託を受けて賄賂を収受したときは、事前収賄罪ではなく、受託収賄罪が成立する。
- ④ 氏名詐称その他の詐欺の方法による投票の罪に関する刑事手続において、投票の帰属を調べることは、投票の秘密を保障する憲法第15条第4項に違反する。
- ⑤ 憲法第15条第1項は、権利の性質上日本国民のみを対象とするが、憲法第8章は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、住民の意思に基づき、区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障するという趣旨と解されるから、在留外国人のうちでも永住者等であって居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、法律をもって、地方公共団体の長、地方議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されていないと解される。もっとも、当該措置を講じなくても違憲ではない。
- 問10 下線ク1からク4に当てはまる正しい漢字を記入せよ。
- ク1:
- ク2:
- ク3:
- ク4:
(回答)
問1 (③) 問2 (⑤) 問3 (①) 問4 (④) 問5 (⑤)
問6 (②) 問7 (②) 問8 (③) 問9 (④)
問10 ク1(顕在) ク2(示威) ク3(丁寧) ク4(迎合)
(試問2.)Read the text below and answer the following questions.
LDP, Komeito propose lowering tax rate on daily necessities in 2017
Kyodo
Nov 19, 2014
aThe ruling camp agreed Wednesday to lower the tax rate on daily necessities when Japan’s consumption tax rate is raised to 10 percent from the current 8 percent in April 2017, lawmakers said.
Prime Minister Shinzo Abe’s Liberal Democratic Party and its junior coalition partner Komeito also confirmed they will incorporate the tax policy in their joint campaign pledges for the general election scheduled to be held Dec. 14, the lawmakers added.
The announcement came a day after Abe said he will dissolve the House of Representatives on Friday, paving the way for a snap election. Abe is pitching the poll as a way to assess whether voters support his decision to bput off the second tax hike, planned for next October, by 18 months. On Monday, new economic data showed that Japan’s economy c , months after the first, 3-percentage-point consumption tax increase took effect April 1.
It was the first time the two parties specified when they would aim to reduce taxes on daily products such as food. The ruling bloc will finalize their tax proposal at a meeting slated to for Thursday.
dAbe said at a news conference Tuesday he would urge the LDP and Komeito to “seriously” consider whether the tax rate on daily necessities should be cut as a way to cushion the negative impact of the second tax hike.
But it remains to be seen how the ruling coalition will conclude their discussion on the issue.
eMany LDP lawmakers have still been reluctant to introduce the reduced tax rate as the measure is expected to decrease tax revenues, while Komeito has been eager to carry it out to prevent the additional consumption tax increase from hurting households.
Finance Ministry officials have also been unwilling to lower taxes on daily products, expressing concern the reduced tax rate would create too much paperwork for smaller companies.
Legislation should be passed by next fall for the proposed tax system to take effect in April 2017, government officials said.
(Excerpt from “Japan Times” November 19, 2014)
- No.1 What does “aThe ruling camp” mean?
- a. Liberal Democratic Party and Social Democratic Party
- b. Liberal Democratic Party and Komeito Party
- c. Liberal Democratic Party and Your Party
- d. Komeito Party and Democratic Party
- e. Liberal Democratic Party and Democratic Party
- No.2 What does “bput off the second tax hike” mean?
- a. The consumption tax raised by 3 % on April 1 2014, and the tax was originally planned to raise by two more percent on October 1 2015. However, Prime Minister Abe decided to postpone the tax raise which effects on April 1, 2017.
- b. The property tax raised by 3 % on April 1 2014, and the tax was originally planned to raise by two more percent on October 1 2015. However, Prime Minister Abe decided to give up the second tax raise due to the current severe economic situation.
- c. The consumption tax raised by 3 % on April 1 2014. However, Prime Minister Abe decided to reduce the consumption tax rate up to 5 %.
- d. The consumption tax raised by 3 % on April 1 2014, and the tax was originally planned to raise by two more percent on October 1 2015. However, Prime Minister Abe decided to give up the second tax raise due to the current severe economic situation.
- e. The corporation tax raised by 3 % on April 1 2014, and the tax was originally planned to raise by two more percent on October 1 2015. However, Prime Minister Abe decided to postpone the tax raise which effects on April 1, 2017.
- No.3 Please choose the best answer from the list below to fill the blank “c”.
- a. had fallen back into inflation
- b. would fall back into recession
- c. had fallen back into recession
- d. has fallen back into recession
- e. would fall back into inflation
- No.4 What does the line “d” mean?
- a. 木曜日の記者会見で安倍首相は、自由民主党と公明党に対し、生活必需品への軽減税率の導入を通じて2回目の増税がもたらす悪影響が増幅されるのではないかとの懸念を示した。
- b. 火曜日の記者会見で安倍首相は、民主党と公明党に対し、生活必需品への軽減税率の導入により、2回目の増税がもたらす悪影響が緩和されるかどうかを真剣に検討するよう促した。
- c. 木曜日の記者会見で安倍首相は、民主党と公明党に対し、生活必需品への軽減税率の導入により2回目の増税がもたらす悪影響が緩和されるかどうかを真剣に検討するよう促した。
- d. 火曜日の記者会見で安倍首相は、自由民主党と公明党に対し、生活必需品への軽減税率の導入により、2回目の増税がもたらす悪影響が緩和されるかどうかを真剣に検討するよう促した。
- e. 火曜日の記者会見で安倍首相は、自由民主党と公明党に対し、生活必需品への軽減税率の導入を通じて2回目の増税がもたらす悪影響が増幅されるのではないかとの懸念を示した。
- No.5 On what point did “the ruling camp” agree?
- a. The camp finally reached an agreement to reduce corporation tax on daily necessities when the tax rate would rise up to 10 % in 2017.
- b. The camp finally decided to raise consumption tax on luxury goods to increase tax revenue.
- c. The camp agreed that the camp would not aim to introduce a tax deduction on consumption tax on foods.
- d. The camp confirmed that the camp would figure out the way to reduce paperwork for implementing tax deduction on consumption tax on daily necessities.
- e. The camp agreed to aim to lower the tax rate on daily necessities when Japan’s consumption tax rate is raised to 10 percent from the current 8 percent in April 2017.
- No.6 下線eの内容を正しく説明しているものは次のどれか。
- a. 多くの自由民主党の議員は税収が減少すると見込まれることから軽減税率を導入することを今だ躊躇しているが、公明党は消費増税により家計が厳しくなることを防ぐため軽減税率の導入に熱心である。
- b. 多くの自由民主党の議員は税収が減少すると見込まれることから軽減税率を導入しないことに今だ躊躇しているが、公明党は軽減税率の導入により家庭の可処分所得が増加することから軽減税率の導入に熱心である。
- c. 多くの自由民主党の議員は税収が減少すると見込まれることから軽減税率を導入することに今だ積極的であるが、公明党は消費増税により家計が厳しくなることを防ぐため軽減税率の導入に消極的である。
- d. 多くの自由民主党の議員は税収が減少すると見込まれることから軽減税率を導入することを今だ躊躇しているが、公明党は軽減税率の導入により家計が厳しくなることを防ぐため消費増税の実施に熱心である。
- e. 多くの自由民主党の議員は税の増収が見込まれることから軽減税率を導入することに今だ積極的であるが、公明党は軽減税率の導入により家計が厳しくなることを防ぐため消費増税の実施に熱心である。
- No.7 2017年に軽減税率を導入する場合、いつまでに関連法案を成立させる必要があるか。
- a. 平成28年冬
- b. 平成28年春
- c. 平成27年秋
- d. 平成27年冬
- e. 平成28年秋
(回答)
No.1 (b.) No.2 (a.) No.3 (c.) No.4 (d.) No.5 (e.) No.6 (a.) No.7 (c.)
(試問3.)次の文章を読み、以下の問いに答えよ。
急速な少子高齢化の進展等により、前述のとおり社会保障費の増加が避けられない状況にあることを踏まえ、社会保障の安定財源の確保と財政健全化の同時達成に向け、税制抜本改革法に沿って、2014(平成26)年4月には消費税率が8%へ引き上げられることとなった。また、ア1999(平成11)年以降、消費税収(国分)については、各政府の予算総則において年金、高齢者医療、介護といった「高齢者三経費」に充てることとされていたが、今回の改革では、子育てや現役世代の医療を加えた「社会保障四経費」に消費税増収分の全てを充てることが消費税法等に明記された。
イ税制抜本改革法の規定による、2015(平成27)年10月の消費税率10%への引上げについては、今後、経済状況等を総合的に勘案しながら平成26年中に判断することとされている。
税制抜本改革法に沿って10%に引き上げられた時には、国・地方分を併せて、消費税率5%分に対応するものとして約14兆円の増収が期待されており、社会保障の安定化に約ウ1 %分が、社会保障の充実に約ウ2 分が、それぞれ向けられることとされている。
このうち、社会保障の安定化分としては、基礎年金国庫負担割合を恒久的に2分の1とするために約3.2兆円、消費税率の引き上げによる診療報酬、介護報酬、子ども・子育て支援等についての物価上昇への対応として約0.8兆円、また、社会保障の安定のため後世代への負担のつけ回しを軽減するため約7.3兆円が、それぞれ充てられる。一方、社会保障の充実としては2.8兆円分を充てることとしており、そのうち、子ども・子育て支援に約0.7兆円、医療・介護サービスに約1.5兆円、公的年金に約0.6兆円が予定されている。
(中略)
また、子ども・子育て支援については、2015(平成27)年4月に施行予定の子ども・子育て支援新制度を通じて、幼児教育・保育の質・量の充実や、保護者の働き方や地域ニーズに応じた保育の提供等を図ることとしており、具体的には、
・エ幼稚園と保育園の良さを併せ持つ認定こども園制度の改善・普及
・小規模保育や家庭的保育(保育ママ)などの充実
・親子同士の交流や相談の場(地域子育て支援拠点)、子どもを一時的に預かってもらえる場(一時預かり)、保護者が就労などで昼間家に居ない小学生の放課後の遊びや生活の場(放課後児童クラブ)の充実
等、保護者が働いているかに関わらず、どの子どもも教育、保育を一緒に受けられ、地域の実情に合わせて保育の場を確保できるようにするものであり、2014年度においては、新制度の先取りとして、保育緊急確保事業を実施することとなった。また、保育所入所待機児童の解消は喫緊の課題であり、保育ニーズのピークを迎える2017年度までに約40万人分の保育の受け皿を確保し待機児童の解消を目指すため、「オ待機児童解消加速化プラン」の推進を図っているところである。
加えて、保護者のいない子どもや保護者に監護させることが適当でない虐待を受けた子ども等、子どもの抱える問題が複雑化していることから、公的責任で養育し保護する受入児童数を拡大するとともに、家族的で安定した養育環境の整備を図る等、社会的養護の充実の充実を進めているところである。
(中略)
社会保障制度改革については、社会保障制度改革推進本部を司令塔として、関係各省の協力も得つつ、プログラム法に規定された改革の全体像及び進め方に沿って、着実に改革を進めていくこととしている。併せて、中長期については、社会保障制度改革推進会議において2025(平成37)年度を展望しつつ、受益と負担のカ1キンコウのとれた制度を確立するための改革について、総合的に検討を進めていくことが必要である。
また、こうした社会保障制度改革の推進に当たっては、今後、健康カ2ゾウシン・予防、介護予防といった「予防」にも更に力を入れることとしている。プログラム法第2条にも規定されているとおり「高齢者も若者も、健康で年齢等にかかわりなく働くことができ、持てる力を最大限にカ3ハッキして生きることができる環境の整備等」は、超高齢社会を迎える我が国の活力を維持するため欠かせない取組みであり、人々の健康長寿を実現することは、医療費のテキセイ化等にもつながるものである。具体的には、持続的な健康づくりに取り組むことの困難な人を含め、全ての人々がカ4ケイゾク的に健康増進を図ることのできる環境を整備するため、予防に向けたインセンティブ措置の導入、データヘルス計画の推進による医療費のカ5テキセイ化をはじめ、様々な予防に関する取組みを更に推進していくこととしている。
社会保障制度は、国民生活に安心をもたらす重要な基盤であり、その改革に当たっては、できる限り多くの方への情報提供とカ6ナットク感を得られるよう努力していく必要がある。
これまでも、講演会や新聞広告といったツールを活用して、一体改革関係の周知広報に取り組んできているが、今後とも社会保障改革の内容について幅広く周知を図っていく。併せて、将来の社会を担う子どもたちに、学校教育を通じて社会保障の意義に係る理解を促すことは大変重要であることから、ケイゾク的・全国的に社会保障教育が推進される環境づくりも目指しており、こうした取組みも併せて進めるなど、国民の安心とナットクを得られる社会保障制度に向けて、不断の改革を進めていかなければならない。
(平成26年版厚生労働白書 健康長寿社会の実現に向けて~健康・予防元年~「特集 社会保障と税の一体改革について」より引用。)
- 問1 下線アについて、「社会保障四経費」に係る国と地方の事務のうち、国が直接執行する事務は次のどれか。
- ① 「年金」
- ② 「高齢者医療」
- ③ 「介護」
- ④ 「子育て」
- ⑤ 「現役世代の医療」
- 問2 下線イについて、「判断」の内容で正しいものは次のどれか。
- ① 「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律」の景気判断条項に基づき、平成27年10月の引き上げを18カ月延期し、景気判断を改めて行った上で、平成29年4月に引き上げを実施する。
- ② 「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律」の景気判断条項に基づき、平成27年10月の引き上げを18カ月延期し、平成29年4月に景気判断条項を付すことなく確実に引き上げを実施する。
- ③ 「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律」の景気判断条項に基づき、平成27年10月の引き上げを24カ月延期し、平成29年10月に景気判断条項を付すことなく確実に引き上げを実施する。
- ④ 「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律」の景気判断条項に基づき、平成27年10月の引き上げを24カ月延期し、景気判断を改めて行った上で、平成29年10月に引き上げを実施する。
- ⑤ 「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律」の景気判断条項に基づき、平成27年10月の引き上げを12カ月延期し、平成28年10月に景気判断条項を付すことなく確実に引き上げを実施する。
- 問3 下線ウ1及びウ2に入る数字の組み合わせで正しいものはどれか。
- ① ウ1=3 ウ2=2
- ② ウ1=1 ウ2=4
- ③ ウ1=2 ウ2=3
- ④ ウ1=4 ウ2=1
- ⑤ ウ1=2.5 ウ2=2.5
- 問4 下線エについて、以下の説明のうち正しいものはどれか。
- ① 認定こども園は、幼稚園、保育所等のうち、保護者が働いている、いないにかかわらず就学前の子どもを受け入れて、幼児教育・保育を提供する機能及び地域における子育て支援を行う機能を備える施設で、都道府県知事が認定した施設である。
- ② 幼稚園は、保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育することを目的とする施設である。
- ③ 認定こども園は、幼稚園、保育所等のうち、保護者が働いている、いないにかかわらず満三歳から小学校就学の始期に達するまでの就学前の子どもを受け入れて、幼児教育・保育を提供する機能及び地域における子育て支援を行う機能を備える施設で、都道府県知事が認定した施設である。
- ④ 保育園(保育所)は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、満三歳から小学校就学の始期に達するまでの幼児を保育し、幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的とする施設である。
- ⑤ 幼稚園は、保護者が働いている、いないにかかわらず就学前の子どもを受け入れて、幼児教育・保育を提供する機能及び地域における子育て支援を行う機能を備える施設で、都道府県知事が認定した施設である。
- 問5 下線オについて、以下のうちプランに含まれていないものは次のどれか。
- ① Increasing the number of day nurseries
- ② Securing the number of childcare workers
- ③ Advanced implementation of a new measure on child care system
- ④ Support for non-registered childcare facilities trying to be registered and employer-provided childcare facilities
- ⑤ Increasing the number of kindergartens
- 問6 社会保障に関する以下の判例のうち明らかに誤っているものはどれか。
- ① 未支給の国民年金支払請求訴訟係属中に受給権者が死亡した場合、国民年金法第19条第1項に規定する未支給年金に係る遺族は、社会保険庁長官(注:当時)による未支年金の支給決定を受けるまでは、死亡した受給権者が有していた未支給年金に係る請求権を確定的に取得したということはできず、同長官に対する支給請求とこれに対する処分を経ないで訴訟上未支給年金を請求することはできないことから、遺族において本件訴訟上の地位を承継することを認めることはできない。
- ② 児童扶養手当は障害福祉年金と基本的に同一の性格のものであるとの理由で障害福祉年金受給者に同一の性格の年金給付を認めない児童扶養手当法第4条第3項第3号(注:昭和48年改正前のもの)の規定は、健康的で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障する憲法第25条の規定に違反する。
- ③ 医療法第30条の7の規定に基づく病院開設中止の勧告は、医療法上は当該勧告を受けた者が任意にこれに従うことを期待して行われる行政指導として定められているけれども、当該勧告を受けた者は、これに従わない場合には、相当程度の確実さをもって病院を開設しても保険医療機関の指定を受けることができなくなるという結果をもたらすものということができる。(中略)このような医療法第30条の7の規定に基づく病院開設中止の勧告の保険医療機関の指定に及ぼす効果及び病院経営における保険医療機関の指定の持つ意義を併せ考えると、この勧告は、行政事件訴訟法第3条第2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」に当たると解するのが相当である。
- ④ 条例の制定は、普通地方公共団体の議会が行う立法作用に属するから、一般的には、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるものではないことはいうまでもないが、本件の保育所廃止に係る条例改正は、本件各保育所の廃止のみを内容とするものであって、他に行政庁の処分を待つことなく、その施行により各保育所廃止の効果を発生させ、当該保育所に現に入所中の児童及びその保護者という限られた特定の者らに対して、直接、当該保育所において保育を受けることを期待し得るという法的地位を奪う結果を生じさせるものであるから、その制定行為は、行政庁の処分と実質的に同視し得るものということができる。
- ⑤ 介護保険法第129条第2項は、介護保険の第1号被保険者に対して課する保険料の料率を、政令で定める基準に従い条例で定めるところにより算定する旨を規定し、具体的な保険料率の決定を,同条第3項の定め及び介護保険法施行令第38条所定の基準に従って制定される条例の定めるところにゆだねたのであって、保険者のし意を許容したものではないことから、同法第129条第2項は、租税法律主義を定める憲法84条の趣旨に反するということはできない。
- 問7 下線カ1からカ6に当てはまる正しい漢字を記入せよ。
- カ1:
- カ2:
- カ3:
- カ4:
- カ5:
- カ6:
(回答)
問1 (①) 問2 (②) 問3 (④) 問4 (①) 問5 (⑤) 問6 (②)
問7 カ1(均衡) カ2(増進) カ3(発揮) カ4(継続) カ5(適正) カ6(納得)
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