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産経新聞 令和2年1月11日(土)朝刊

阪神大震災25年
神戸市長インタビュー

津波対策 間もなく完了

阪神大震災から17日で25年となるのを前に、神戸市の久元喜造市長が産経新聞のインタビューに応じた。久元市長は「神戸は間違いなく復興し、格段に災害に強い街となった」と強調。遠隔操作できる防潮鉄扉の実用化など、市の津波対策も間もなく完了することを明らかにした。
(聞き手 木下 未希)

――震災から得た教訓は

「25年前の神戸は地震に対してあまりに無防備だった。一部を除いて当時は誰も想像すらしていなかった事態。あらゆる災害を想定し、災害に強いまちづくりを行う重要性に気付かされた。送水管内に生活用水を確保できる『大容量送水管』といったインフラ整備や都心の浸水対策などを進め、以前より格段に災害に強い街となった」

――今後の課題は

「震災の記憶、教訓をいかに未来の世代に伝えていくかだろう。神戸市は東日本大震災が発生した際、震災を経験した職員と未経験の若い職員が被災地支援に向かうなどの取り組みを行ってきた。新規採用職員の研修では、当時の現場を再現したロールプレイング研修なども取り入れている。他地域に支援を行うと同時に、今後も教訓を引き継ぐ努力を続けるべきだ」

防潮鉄扉の遠隔操作 実用化へ

――神戸港も順調にコンテナ取り扱い量が戻っている。今後の展望は

「神戸港の港勢は着実に戻ってきているが課題も残る。一つは防災対策。平成30年の台風21号で甚大な被害を受け、今後荷裁きする場所をかさ上げする必要がある。もう一つは他国との競争力。韓国・釜山との競合はもちろんだが、現在、アジア各国の貨物が香港やシンガポール経由で北米に向かう。これを神戸で積み替えて北米に行かせることができないか。ターミナルの効率化やコスト削減とともに、神戸港の集荷、送荷に力を入れていきたい」

――30年以内に起こる可能性が高いとされる南海トラフ地震への対応策は

「100年に1度起こるとされるマグニチュード(M)8クラスに対応できる防潮堤は平成27年度に整備を終えた。千年に1度のM9クラスについても今年度中に整備する。また津波が来た際、海側と陸に設けている防潮鉄扉を遠隔操作で閉める実証実験を行ってきた。実用化する方針で、津波対策は間もなく完了すると言っていい」

――震災を経験した自治体として今後果たす役割は

「震災で起こったさまざまな問題や、災害に強いまちづくりのノウハウを他の自治体に伝えていくべきだ。例えば送水管内に12日間の生活用水を確保できる大容量送水管は、震災を教訓に市が独自に整備し、他の自治体も採用した。そうした経験を日本だけでなく、海外にも伝えたい」

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