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神戸新聞 令和3年3月1日(月)朝刊 23面 

あなたの声とイイミミ半世紀

市長も、警察署長も 市井の声、見逃せない

 5年前、イイミミ末尾の投稿者署名「神戸市長」に目がくぎ付けになった。当欄を30年間担当する「ミミ子」によると、行政トップの投稿は初めて。市民から「ポートタワー周辺施設の草がぼうぼう」と声が寄せられ、「作業に掛かります」と返信したのだ。

 当欄を毎夕チェックするという久元喜造市長。「なるほど、と思う意見にはスピーディーに対応したかったので。それに草ぼうぼうが嫌いなんです。街で見つけるとスマホで撮って、すぐ担当課に送りますから」と説明する。

 今や行政もフェイスブックなどで情報発信するが、市広報課員も「こちらが気が付かないような声がある」とくまなく目を通す。久元市長は「幅広い声を集められるネット抜きでは考えられない時代だが、電話は相手と話すうちに考えを整理できたり、気分が収まったり。両方必要ですね」。

 聞けば、久元市長の母親も投稿者だったとか。「僕が高校時代『ちょっとイイミミに電話するっ!』って、2度かけてました。気性が激しい母だったので、どうせ市役所への文句だったと思いますよ」と笑う。

 たつの市内で深い側溝に落ちた小学4年生を、高校生が助け上げたが名乗らず去った―。たつの署長の田中聖児さん(60)はこのイイミミを読んで思い付いた。「悪いことをした人が相手の仕事。たまには、いい人を探してみよう」

 現場近くの龍野高校3年生と分かり、県の善行賞「のじぎく賞」の表彰に結びついた。女児からの礼状などの経緯を報じた新聞記事はネットでも拡散した。

 田中署長のイイミミ愛読歴は40代の警部昇任後。全国紙の読者投稿欄も読むが「イイミミは特に生の声、小さな声を集めてきてくれるのがありがたい」。

 特に気になるのは、交通取り締まりのあり方など、警察に対しての耳の痛い意見。朝礼や署内メールで紹介することもある。

 3月末で定年退職を迎える。「警察官人生の最後にさわやかな仕事をさせてもらいました」とはにかんだ。

(松本寿美子、直江 純)

久元喜造神戸市長2016年2月10日の投稿

◆早速刈り取り作業に

 週明け「ポートタワー周辺の施設について、草がぼうぼう。市民として恥ずかしかった」というご意見がありました。早速現地に見に行ってきました。確かに草が伸びていましたので、ただちに作業に掛かり、10日中に刈り取りが完了します。日ごろから街の中を極力歩き回るようにしていますが、今まで以上に自分の足、自分の目で私たちの街、神戸を見ていきます。

(神戸市長、62)

たつの署長が読んだ2020年12月24日の投稿

◆高校生が助け上げて

 小4の娘が、学校帰りに側溝に落ちて。ご近所の人が気づいてうちへ電話してくれました。結構、深い側溝なんですが、私が駆け付けると、もう高校生の男の子が助け上げてくれたあとで、遠くに後ろ姿しか見えませんでした。(中略)お礼を言えなかったのが心残りです。娘に代わります。(代わって)怖かったです。おにいちゃん、ありがとう!

(たつの、会社員、女、42&小4、女)

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