メディア掲載

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神戸新聞 令和2年11月20日(金)朝刊

(1面)
神戸市 対コロナ人員強化

市長就任7年 21年度、業務見直しへ

 新型コロナウイルスの感染拡大に備えるため、神戸市は2021年度、業務の一部を見直し、対応する職員の人数を強化する。感染の第1波では、最大約150人の応援職員を健康局などに投入。同程度の応援体制が取れるよう、市民をたたえる約120種類の表彰制度など不要不急の業務を原則見合わせる。

 久元喜造市長が20日の就任7年を前に、神戸新聞社のインタビューに答えた。

 市によると、保健所を管轄する健康局(約330人)などに配置された応援職員は、5月には兼務も含め約150人に上った。宿泊療養施設の運営管理や感染者のデータ分析、広報活動などに当たった。現在は民間人材も活用し応援職員は30人程度だが感染拡大に備え、臨機応変に配置転換できるようにする。

 市は、形式的なものや優先度の低いものなど不要不急の事務事業の洗い出しを開始。市民をたたえる表彰制度の中止は、式典会場が密になりやすいことも念頭に判断した。21年度限りの対応とする。久元市長は「市職員も通常の仕事をしながらコロナ対応をする必要がある。乗り切るには、思い切って(業務内容を)見直さなければいけない」と述べた。

(石沢菜々子)

(24面)
就任7年神戸市長に聞く

市役所、組織改革道半ば

駅前再整備始動、北神急行市営化が成果

20日の就任7年を前に、神戸新聞のインタビューに応じた神戸市の久元喜造市長は、北神急行電鉄の市営化や主要駅前の再整備に着手したことを成果に挙げた。また、残り1年の取り組みとして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応や市役所改革の推進に意欲をみせた。主なやり取りは次の通り。

-就任から7年。

「神戸市の都市の姿について、明確な方向性を打ち出せたのではないか。都心部への高層タワーマンション建設を規制するため、条例を改正した。充実した公共交通を生かし、郊外も含めた駅前再整備でコンパクトなまちづくりを目指している」

「運賃の高さが長年の課題だった北神急行の市営化も、こうした方向性に沿うものだ。公約にはなかったが、実現できてほっとしている。全体的なまちづくりのイメージは、2期目に入って幹部と話し合い、徐々に形成していった」

-市政の課題は。

「市役所改革にも取り組み、(市職員の)ヤミ専従問題にメスを入れた。健全な労使関係の構築が図られつつあるが、世間の常識とずれている面がまだある。例えば、市教育委員会がハラスメントを申告した教員に、内容を口外しないよう求める誓約書にサインさせていた。陰湿な体質であり、根絶しなければいけない」

「(コロナと共存する)ウィズコロナ時代は、職員が通常の仕事をしながらコロナ対応をしないといけない。今までと同じ仕事を漫然とやっていては乗り切れない、という危機感と覚悟を職員が持つべきだ。市長就任時に『とにかくやめる勇気を持ちましょう』と言ったが、進んでいない」

-自身の評価点は。

「60点くらい。残念ながら神戸の人口減少は続いており、東京への転出超過をなくすといった目標とは乖離している」

-新型コロナへの対応にも追われる。

「職員が一丸となって闘い、何とか未曽有の危機に対応できている。PCR検査や医療提供の態勢強化、全国初の重症者専用病棟の稼働などを進めてきた。(1人10万円の)特別低額給付金も、大都市の中では早く給付できた」

「みんなで危機を乗り切ろうという機運が生まれている面もある。そういう地域社会を、どうつくっていくかが自治体としての重要な課題だ。例えば、子ども食堂。場所や料理、食材などを提供してくれる人たちが集まって初めてできる。参加したい人は参加する、という緩やかなつながりをいかにつくるか。子どもの居場所づくりとして、来年度予算で力を入れたい」

-3選への考えは。

「市民の負託を受けているので、とにかく任期いっぱい全力で仕事に取り組む。

(聞き手・石沢菜々子、初鹿野俊)

公約9割「実施」「着手済み」

 2期目の最終年に入った神戸市の久元喜造市長は、前回市長選で公約に掲げた229項目について、三宮再整備など97%以上を実施または着手済みとする。ただ、市政を揺るがした市職員労働組合のヤミ専従問題や、市教育委員会の不祥事を受けた庁内の組織改革は道半ば。新型コロナウイルス感染拡大で大幅な税収減も見込まれ、残り1年のかじ取りが問われる。

 久元市長は三宮再整備に加え、公約になかった郊外の駅前再整備にも着手し、人口減対策に力を入れる。市有地を活用するなどし、保育施設の整備を急ピッチで進め、待機児童をほぼ解消。コロナ禍を踏まえ、六甲山上をビジネス拠点とする「スマートシティ構想」や里山の活用で魅力ある都市の構築も打ち出した。

 一方、公約に掲げた高校生までのこども医療費助成の段階的な引き上げや、コンベンションセンター再整備は実現のめどが立っていない。「着手済み」とする阪急と市営地下鉄西神・山手線の相互直通の検討も今年3月、「投資に見合う効果が見込めない」とし、事実上、頓挫した。

 2期目の3年では、ヤミ専従問題や東須磨小の教員間暴行問題など庁内の不祥事が噴出。外部人材を登用し、停滞していた組織に風を吹き込む一方、スピード感を重視する市長の政策決定に内部から「トップダウンが強すぎる」と不協和音も。庁内の改革をいかに市民サービスの向上につなげるか注目される。

(石沢菜々子)

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