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神戸新聞 2020年(令和2年)10月28日(水曜日) 朝刊 31面

神戸新聞 2020年(令和2年)10月28日(水曜日) 朝刊 31面

神戸市の在り方は―久元市長に聞く

県と協調 弊害減らす努力続ける
特別自治市 将来的に目指すべき

 政令指定都市(政令市)の大阪市を廃止して四つの特別区に再編する「大阪都構想」の議論は、道府県と政令市の在り方にも一石を投じる。隣の政令市である神戸市は、どんな姿を目指すのか。兵庫県との二重行政は―。かつて総務省自治行政局長を務め、都構想の制度移行手続きを定めた法案作りに関わった神戸市の久元喜造市長に聞いた。

(聞き手・石沢菜々子、初鹿野俊)

――大阪都構想をどう見る。

 「東京23区だけに適用されている特別区の制度を、大阪市も適用しようとするのは(制度上は)当然のこと。最終的には大阪市民の判断となる。もし実現したならば、二極構造で東京一極集中を是正し、関西の振興発展を図ってほしい」

 「一方で東京では、財源配分などで、都と特別区の利害調整の難しさが指摘されてきた。(大阪都構想が実現すれば)大阪府が四つの特別区と円滑な運営ができるかが問われる」

――兵庫県と神戸市の間に二重行政はあるのか。

 「例えば(県と市の)役割分担が明確でない産業振興、観光などの分野がある。河川管理や農政などは法律によって分担しているが、市民や事業者には分かりにくい。神戸市が兵庫県の中にいる限り、二重行政は必然的に存在する。いかに弊害を減らすかが大事だ」――具体的な方策は。

 「県市協調で、二重行政の弊害を少なくする努力をしてきた。他の政令市ではほとんど例がないが、米シアトル市にある神戸市の事務所は県のワシントン州事務所と同居し、新長田合同庁舎には県税事務所と市税事務所が集約された。中小企業の融資制度もほぼ一元化した。成果が出ており、努力を続けていく」

――政令市でつくる指定都市市長会は、政令市が道府県から独立する「特別自治市」制度の創設を求めている。神戸市も目指すのか。

 「二重行政を究極的に除去するには、政令市を解体し特別区にするか、政令市の権能を強化し特別自治市にするかのどちらかになる。特別自治市も制度として用意されるべきだ。東京一極集中を是正する上で、地方の大都市が自らの権限で発展し、効果を周辺地域に及ぼしていくことは大きな方向性になる。県市協調を進める神戸市がすぐ特別自治市になる必要はないが、将来的には目指すべきだ」

――国による法整備が必要となる。

 「安倍内閣は地方創生を相当懸命にやったが、全然進んでいない。本社を東京から地方に移転させた企業はほとんどなく、むしろ東京に移る方が多い。本気で東京一極集中を是正するのであれば、大都市の在り方に関心が集まるいま、国も本格的に議論してほしい」

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