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朝日新聞 令和3年1月26日(火)朝刊19面

コロナ禍 生かされた教訓

久元・神戸市長に聞く

阪神・淡路大震災の発生から1月17日で26年になった。神戸市の久元喜造市長が朝日新聞のインタビューに応じ、新長田駅南地区の再開発事業や、コロナ禍で生かされた震災の教訓などについて語った。

医療従事者支援に寄付 続々
行政と医療機関の連携 上々

―昨年末に新長田駅南地区(長田区)の再開発の検証結果が報告された。にぎわい創出が課題とされたが、どう取り組むか

 再開発事業をやり遂げる。一昨年に合同庁舎が完成し、現在は医療機関やマンションが入るビルの建設も進んでいる。移転する県立総合衛生学院や(同学院が入るビルに誘致する)大学のサテライトキャンパスもできれば、1千人くらい昼間人口が増える。さらに新長田駅前のロータリーを整備し、来訪者を増やしていく。

―再開発ビル「アスタくにづか」で、民間に貸している区画が倉庫として使われている。シャッターが目立つ要因の一つでは

 全くそうだと思う。権利床の使い方についてどう行政が関与するのかは引き続き課題だ。権利者と相談し、シャッターではなく商売をしてもらう状況をどうつくればいいのか、相談しながら考えていきたい。

―阪神・淡路大震災の教訓は、今にどう生かされていると考えるか

 震災の後、行政、市民、企業などさまざまな団体が意見の対立を乗り越えながら助け合い、神戸のまちを復興させた。今回の新型コロナでも、市民や企業からさまざまな寄付の申し出があった。コロナ対応にあたる医療従事者を応援する「こうべ医療者応援ファンド」にも、(12月中旬現在で)5億8千万円以上が寄せられている。これは全国的に見ても最も高い水準だと思う。
 震災をきっかけに、困ったときは助け合っていこうという機運が神戸に広がり、コロナの中にあってもその意識は間違いなく存在していたと感じる。

―震災の教訓がコロナ禍でも生かされた

 コロナ対応でいうと、行政と医療機関との連携も阪神大震災から広がった。災害医療についての経験が積み重ねられ、DMAT(災害派遣医療チーム)も整備された。いま神戸において、行政と医療機関との連携は比較的うまくいっていると思う。

―未曾有の災害にどう備えるか

 「地震は来ない」と言われていた神戸に想定外の災害がやってきたということが、ものすごく大きな犠牲を払って得た教訓だったと思う。今後も想像力をたくましくして、想定外とは何なのか、常に思いを巡らしていくことが重要だ。

(聞き手・遠藤美波)

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