対談・インタビュー

interview

AERA(2018.3.26)

AERA 2018年3月26日発行 

世界を目指すIT企業が集結!
神戸から熱いメッセージを発信!

経済の持続的成長を目指し、IT産業等の集積や起業家の育成支援を進める神戸市。この街に今、優れた才能が集まり始めている。久元喜造神戸市長と、昨年、神戸市に拠点を構えたChatWork株式会社の山本敏行CEO 、株式会社モノビットの本城嘉太郎社長が、神戸市の可能性を探った。

ITの頭脳が神戸に集結 本拠地の移転も進む

久元市長(以下、久元):神戸市では今、ITを活用した成長型起業家(スタートアップ)を育成支援する取り組みを進めています。2016年の「神戸スタートアップオフィス事業」を皮切りに、米国シリコンバレーの有名なベンチャーキャピタル「500 スタートアップス」との提携プログラムも実現しました。こうした取り組みにさらに力を与えてくれているのがChatWork とモノビットで、両社とも昨年、神戸に拠点を構えてくださいました。モノビットはVR(仮想現実)やAR(拡張現実)技術を使ったゲームやコンテンツを開発するベンチャー企業ですが、本城社長はもともと神戸のご出身ですね。

本城社長(以下、本城):生まれも育ちも神戸です。昨年、本社を東京から神戸の旧居留地に移転したのですが、この辺りは高校時代、庭のように親しんでいた場所です。

久元:拠点を移された理由は?

本城:27歳のときに東京で起業して以来、培ったものを、故郷に還元したいと思ったのです。3年ほど前、神戸に支社をつくり、神戸支社の社員が10人に増えたところで本社移転を決めました。

久元:移転で変化はありましたか?

本城:社員アンケートでは、東京に比べて、神戸の社員のほうが士気も定着度も高いという結果が出ました。地元で働いていることの満足度があるのかもしれません。東京の社員にも、引っ越し費用と家賃を補助するなどして神戸移住をすすめています。

久元:それはうれしいお話ですね。ChatWork も昨年末、本店を神戸市北部の谷上地区に構えられましたね。シリコンバレーや大阪で幅広くビジネスを展開している山本CEO が神戸に着目してくれたことを光栄に思います。

山本CEO(以下、山本):僕は生まれも育ちも大阪です。神戸との縁は10年ほど前、加古川市出身の女性と結婚したのを機に、大阪と加古川の中間地点である神戸に住み始めたのが最初です。本店を置こうと思ったのは、シアトル視察がきっかけですね。コンパクトなこの港町は、マイクロソフトやアマゾンといった世界的企業を生み出した。それなら、東京一極集中の日本にあって、自社をシアトルに似た神戸の街を代表する企業にできれば、面白いことになると思ったのです。

久元:それにしてもなぜ谷上に?

山本:子どもが生まれたタイミングで広い家に住もうと考えていたとき、三宮から電車で10分の場所に天空のような街が広がっていることを知り、ここだ!と思ったのです(笑)。上場できれば、谷上初の上場企業になるでしょう。いずれはここを日本版シリコンバレーにしたいと思っています。

久元:素晴らしいですね。実際、この場所のポテンシャルは高いと思います。私が小中学生の頃は茅葺きの家が点在する農村でした。今も豊かな自然を残す一方で、新幹線の新神戸駅まで8分、さらに新神戸から三宮まで2分というアクセスの良さがある。阪神高速道路の箕谷インターチェンジもすぐ近くです。

本城:神戸出身者からすると、ベッドタウンのイメージしかない谷上を拠点にするのはすごく意外。でも言われてみると合点がいく。山本CEOの影響で、私も社宅を谷上につくりました(笑)。私はもともと神戸にIT企業が少なかったこともあって拠点を移したのですが、突然、素晴らしい仲間が現れ、非常に心強く思っています。

久元:伝統的な農村文化や里山の風景が残る谷上と、神戸発祥の地である旧居留地。異なる二つの地域に着目していただき、ありがたいですね。ITの頭脳の集積が始まっていることにワクワクしています。

神戸で起業、成長し、世界で活躍する企業に

久元:お二人のように神戸でビジネスを展開してくれるのが一番ですが、神戸市のスタートアッププログラムは、それだけが目的ではありません。優れた才能が神戸に集まってビジネスをスタートさせ、世界に羽ばたき、グローバル社会で幅広く展開してくれればいい。何より「スタートアップできる都市」「開かれた都市」としての存在感を世界に示すのが私の願いです。

本城:日本の一都市の市長が、世界に向けてメッセージを送る。カッコイイですよね。市だけで完結せず、海外とつながっているのが神戸だと思います。行政がここまでコミットしてくれるところはなかなかありません。何より自分自身、すごくワクワクしているので、起業を目指す皆さんには「一緒にやりましょう!」と言いたいです。

山本:神戸には、仕事前にハイキングができる環境もあるんですよ。一時間、心を無にして歩くことで、さまざまなアイデアが湧いてくる。そんなところも神戸の良さだと思いますね。そして谷上には今、日本中の頭脳が集まり始めています。情報がない、人とつながれないといった理由で可能性を潰してしまうのはもったいない。まずは一度、神戸に来て、この街の進化を肌で感じてほしいですね。

久元:とにかく神戸に来て才能を試していただき、チャンスをつかんでいただきたい。それに尽きます。お二人とも今日はありがとうございました。

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