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読売新聞 平成30年11月21日(水)朝刊

就任5年 久元・神戸市長に聞く

都心再生にスピード感
「震災での遅れ 巻き返す」

 昨年10月の神戸市長選で再選を果たし、20日で就任から5年を迎えた久元喜造市長(64)が読売新聞のインタビューに応じた。「平成」を振り返って「日本社会が大きく変容した流れに、神戸は1995年の阪神大震災で乗り遅れた」と総括し、三宮再整備などの都市開発や新産業創出にスピード感を持って取り組み、巻き返しを急ぐ考えを示した。

(安田弘司、藤井竜太郎)

――――平成はどんな時代だったか。

「災害との闘いだった。阪神大震災や2011年の東日本大震災に加え、今年は台風の襲来が相次ぎ、神戸も高潮被害を受けた。災害に強いまちづくりに注力し全国のモデルとなる事業も示せたが、高潮では沿岸部の浸水対策などが課題として浮上した」

 「インターネットが普及するなど日本に大きな変化が到来したが、神戸は震災の復旧を優先せざるを得ず、その流れに乗り遅れた。ネット分野など都市型の創造産業の創出を急ぐ必要がある」

――――任期を振り返って。

 「震災後、取り組めずにいた三宮や臨海部の整備に着手できた。整備の終わったメリケンパークは観光客が増えるなど成果が上がっており、スピード感を持って都心再生を進めたい。全国で大規模再開発が行われた地域は、どこも似たような雰囲気になっており差別化が必要だ。神戸は山と海が近い特性を生かし、吹く風などを感じられる開放感がある場所になれば素晴らしい」

 「大都市の潜在力を生かせる創造的な試みも成果が出始めた。米国の起業支援会社『ファイブハンドレッド・スタートアップス』を軸にした、起業家を集める事業は軌道に乗り始めている。応募の半数超が海外の若い世代で、ビジネスを始められる場所として神戸が世界から認知され始めたと感じる」

――――今後の展望について。

 「人口減少への対応は課題の一つだが、神戸だけでどうにかできる問題ではない。さらに、都市経営は人口などの規模ではなく、価値が重視される時代となっている。地の利や景観など神戸がほかの都市に比べて優位性の高い部分に安住せず、ブランド力や質を高め、見違えるように美しい街にしていきたい」

○神戸市のこの1年の主な取り組み

2017年 12月 神戸アイセンター開院
2018年 3月 全国初の「ヒアリ」対策マニュアル策定
4月 認知症の高齢者らが事故などを起こして損害賠償責任が生じた際の給付金支給などを定めた「認知症条例」、身寄りのない人の死亡後に残された「遺留金」取り扱い条例が施行
三宮の再開発事業に本格着手
神戸空港の民営化
7月 きょうだいが犯罪被害に遭った子どもに対する教育支援を盛り込んだ「犯罪被害者等支援条例」が施行
いじめを受けた中3の女子生徒が16年に自殺した問題で、自殺の原因を再調査する新組織が発足
9月 北区役所の入居する鈴蘭台駅前再開発ビルがオープン
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