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日経新聞 平成30年11月20日(火)朝刊

三宮周辺 タワマン規制へ 神戸市長「条例20年度施行を」
働く場や買い物に重点

 神戸市は三宮などの中心部でタワーマンションなど大規模マンションの建設を規制する方針を固めた。新設禁止エリアなどを定めた条例を制定し、2020年度の施行を目指す。大都市の中心部は大規模マンションの建設増が見込まれるが、神戸の場合、オフィスや商業施設の集積を目指すべきだと判断した。

 久元喜造市長は「都心のタワーマンションは抑制し、働く場所としてのオフィスや、買い物などを楽しめる場所を誘導したい」としている。

 土地利用を制限できる「特別用途地区」という都市計画法に基づく手法を使う。対象となるエリアを都市計画決定し、その規制内容を条例で定める仕組みだ。

 JR三ノ宮駅を中心とした東西に約700メートル、南に約400メートルのエリアは厳しく規制する方向。原則、住宅の建設ができなくして、オフィスや商業施設の立地を促す。

 その外側にあたる新神戸駅から神戸駅にかけてのエリアは、建物の延べ面積の敷地に対する割合にあたる容積率を制限する。敷地面積1000平方メートル以上の土地に住宅を造る場合、最大400%とする。現行の容積率は平均600%。オフィスや店舗を新設する方が土地を高度利用できる。

 市によると、三宮など中央区内では1997年以降、100戸以上の大規模マンションが56棟立地する。60メートルより高い物件が19棟。規制は新設が対象となるが、既存の四十数棟は「不適格建築物」になる見込みだ。

 今後、エリアを定めた特別用途地区を都市計画決定する。その後、19年度中にも規制内容を含む条例の成立を目指す。久元市長は「神戸を大阪のベッドタウンにはしない。阪神間や神戸より西の都市からも、人が集まる街にすることが持続可能な都市経営に不可欠」としている。

 大規模マンションなどを巡っては、横浜市がJR横浜駅周辺など建設を規制。東京都中央区が住宅建設に対する容積率の緩和制度を廃止する方針だ。急激な人口増を避ける狙いがある。「都市居住のニーズとのバランスを考える」(久元市長)

 JR三ノ宮駅南東側では三菱地所などのグループが25年度の完成を目指し、オフィスを中心とした再開発を計画する。これに続くオフィスや商業施設の立地が課題だ。

 一方、三宮から鉄道で20分程度の大阪駅周辺の新オフィスの計画が相次ぐ。日本郵政は駅西側の大阪中央郵便局跡(大阪市)の再開発で23年度の開業を目指す。24年夏に駅北側の「うめきた2期」が街開き予定だ。

 都市間競争で勝てるかどうかが、神戸市の都市づくりの課題になる。

(沖永翔也)

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