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日経新聞(平成27年9月28日朝刊)「時流 地流」に、指定都市市長会での報告などが掲載されました

日経新聞(平成27年9月28日朝刊)「時流 地流」
日経新聞(平成27年9月28日朝刊)「時流 地流」
住民サービス競争は消耗戦?

◆「ここまでやるとは」ーー。日本標準時子午線が通り、マダコで有名な兵庫県明石市が⒎月から月までの期間限定で展開している移住促進キャンペーンが、「刺激的だ」と周辺自治体に波紋を広げている。
◆明石市では「県内トップクラス」とうたう子どもの医療費補助など住民サービスを他の県内市町と比較した表を掲載した市の広報誌を作製。「住まないともったいないで、明石」と題したパンフレットを市職員らが近隣市町に出向いて配布したり、神戸市内の大学で「神戸市より明石市が選ばれている理由」というテーマで泉房穂市長自身が講演したり、といった具合だ。
◆「住むことに特化した自治体を目指す」と言い切る泉市長。減少が続いていた人口は2013年から増加に転じた。シングルマザーなど子育て弱者への支援を厚くする一方で、企業誘致や商業開発は隣接する神戸市などに任せる戦略。それだけに「自治体間の競争は否定しないが、協力も必要では」(久元喜造神戸市長)といった声も上がる。
◆人口減少が続く地方ではあらゆる住民サービスを一つの基礎自治体がペッケージで提供できる時代ではなくなった。その中で各自治体は特徴を打ち出すため知恵を絞る。保育所の待機児童数から、小中学校のエアコン設置率といったものまで、近隣自治体と競う動きは全国各地でみられる。
◆7月に東京で開催した第39回指定都市市長会議。神戸市の久元市長が発表した東京と地方の財政格差を示した数字が話題を呼んだ。東京23区の貯金にあたる基金残高は、政令指定都市に比べ1人当たりで約4倍、借金にあたる地方債残高は同10分の1以下という圧倒的な差。これは当然、住民サービスの差につながる。
◆この差からも明らかなように、地方での自治体間の住民サービス競争は東京一極集中の是正を目指す地方創生の観点からは外れる。競争が近隣自治体同士の消耗戦に陥ってしまうとすれば本末転倒。今後は相互補完の枠組みを作る議論に発展することが欠かせないだろう。
(長谷川岳志)

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