久元 喜造ブログ

神戸の歴史「県政150年」「明治150年」


昨年は、神戸開港150年、兵庫県設置150年の年でした。
初代兵庫県知事、伊藤博文公の台座周辺の環境整備を行ったことを踏まえ(2018年10月12日のブログ)、伊藤博文公の銅像・台座や大倉山の整備を記した「神戸市史」の補遺を編むことができないか、企画調整局にお願いしていたところ、昨年12月に、神戸市史紀要「神戸の歴史」第27号 として刊行することができました。
年始に読みましたが、たいへん興味深い内容でした。

研究論文は、以下のとおりです。
瀧井一博「開港期神戸と初代兵庫県知事伊藤博文」
津熊友輔「伊藤博文銅像・台座と大倉山公園」
山本一貴「幻の神戸市公会堂の建設計画と設計競技」

瀧井論文の冒頭には、神戸海洋博物館のメインエントランスに置かれてある、19世紀英国の軍艦、ロドニー号模型の写真が掲載されています。
1868年1月1日、神戸開港の日、ロドニー号を旗艦とする英国艦船団12隻が兵庫港に来航します。
このロドニー号に長崎から乗船して神戸の地に降り立ったのが、後の伊藤博文公でした。
同論文は、初代兵庫県知事としての事績、そこから垣間見える伊藤博文公の政治思想の原点について語っています。
津熊・山本両論文は、それぞれ銅像・台座と公会堂建設をめぐり、戦前の大倉山で展開された物語です。
公会堂の設計コンペに応募された作品の写真も掲載されています。

お忙しい中、論文を執筆してくださいました瀧井一博先生をはじめ研究者の先生方、紀要を編んでくださいました神戸市文書館のみなさんに感謝申し上げます。
本号は、定価500円(税込み)で市内書店で販売されています。
店頭で手に取ってご覧いただければ幸いです。(文中敬称略)