久元 喜造ブログ

スマスイ「『尼崎産魚』をひもとく」展


いま、須磨海浜水族園では、企画展「『尼崎産魚』をひもとく~江戸時代はおさかな天国!?~」が開催されています。
『尼崎産魚』 とは、江戸時代中期に描かれ、尼崎藩領内で見ることができた海産物をカラーで記録した書籍で 、尼崎市教育委員会が所蔵されています。
この書籍と実際の生きものを照らし合わせながら、当時のこのあたりの海にはどのような生きものがいたのかについて紐解いていく企画展です。

きっかけは、だいぶ前に目にして朝日新聞の記事でした。
「尼崎藩古文書の魚の正体は?」の見出しの記事で、『尼崎産魚』の存在と、この古文書の中に登場する魚などが紹介されていました。
厚かましいお願いとは感じつつ、尼崎市の 稲村和美市長 に直接電話をさせていただき、『尼崎産魚』に関する展覧会を、須磨海浜水族園で開催することができないか相談いたしました。
稲村市長から、前向きの答えをいただき、関係者間で協議が進められ、須磨海浜水族園での企画展が開催される運びとなりました。

今回の企画展では、『尼崎産魚』原本とともに、『尼崎産魚』に掲載されている、カンパチ、コンゴウフグ、マヒトデ、タコノマクラなどが展示されています。
江戸時代の人々は海の生きものをどのように捉え、表現したのか?
今日では見られない、あるいは謎の生きものはいたのでしょうか?

神戸市埋蔵文化センターの学芸員とスマスイ飼育員がタッグを組み、生物展示を通して書籍をさまざまな角度で解明していきます。

企画展は、12月2日(日曜)まで、本館1階、波の大水槽前エントランスホール東壁で開催されています。
江戸時代から続く、「おさかな天国」の豊かな恵みを感じていただければ幸いです。