久元 喜造ブログ

政治はマーケッティングではない。


朝日新聞(10月28日)朝刊に掲載されていた「高橋源一郎の 歩きながら、考える」を読みました。
作家・高橋源一郎氏が小池百合子東京都知事と「彼女へのまなざしの中に何を見たの」かが記されていました。

高橋源一郎氏は、小池知事のご著書の「ビジネスでも政治でも『マーケッティング目線』が大切です」という部分に着目し、次のような感想を漏らされます。

「マーケッティング目線」を大切にする政治家にとって、有権者は、「消費者」にすぎない。だとするなら、あの車の上から投げかけられることばのシャワーは、テレビのCMから流れてくるものとまったく同じなのである。・・・車の上の人にとって、「下」にいる有権者たちは、ヒットしそうな政策を喜んで受け取ってくれる「消費者」だ。


この文章を読んで、4年前の選挙のことを思い起こしました。
選挙はマーケッティングだ」と公言する候補者がおられることに衝撃を受け、こう記しました。(2013年9月15日のブログ

選挙がマーケッティングという考え方は、ご自身、あるいは、公約や政策という商品を、消費者である有権者に売り込むことを意味するものと思われます。
このような考え方は、長く一貫して地方自治や民主主義を考え、実践してきた私には、到底受け入れられないものです。
有権者である住民は、決して消費者ではありません。住民は自治の主役であり、担い手です。そして、選挙は、主権者である国民、住民との誠実な対話であり、対話を通じて、国民、住民の代表を選ぶという厳粛な営みです。

政治や選挙の対するこの考え方は、今もまったく変わっていません。