久元 喜造ブログ

「総合性」について①


記者会見で、どうしても記者のみなさんと噛み合わないことがあります。
選挙の翌日の記者会見(10月23日の会見)で出されたのは、
「まず最初に取り組もうと思っていることを一つお願いします」
でした。

振り返れば、当初予算の発表のときに必ず訊かれるのが、
「今年の目玉は何ですか?」
です。
また、人口減少がよく話題になる昨今、
「人口減少を食い止めるためには、まず何をやらなければいけないと考えていますか?」
という質問もよく受けます。

私は 、
「ありとあらゆる施策をしっかりとバランスよく進めるということです」
と、答えましたが、質問された記者の方はご不満だったことでしょう。
これでは記事にしようがない、という記者のみなさんのお気持ちはよくわかります。

しかし、誠実に仕事を向き合おうとしている立場から申し上げれば、そのようにしか答えようがない、というのが率直な気持ちです。
人口減少を食い止めるためには、出生数を増やし、他地域への人口流出を減らし、他地域からの人口流入を増やすことが必要ですが、そのために、何か一つのことだけをやればよい、というものではありません。
医療・福祉、環境、教育、交通、芸術・スポーツなどあらゆる分野の政策を効果的に組み合わせてバランスよく実施し、市民生活の水準を引き上げ、魅力のある地域にしていくこと以外に方策はないのです。
行政が、総合性を発揮し、目に見える成果を挙げることが、地道なようで大事なのではないでしょうか。
何か一つ、話題をつくることは、ときには大事かもしれませんが、いっとき話題になっても、情報の洪水の中ですぐに忘れ去られてしまうからです。