久元 喜造ブログ

「松の根は岩を砕いて生きていく」


歌手のペギー葉山さんが逝去されました。
「学生時代」「雲よ風よ空よ」などとともに懐かしく思い出される曲が、NHKの連続テレビドラマ「次郎物語」の主題歌です。
小学生だった、昭和30年代後半に放映されていたように思います。
いろいろな困難や、今風に言えば、周囲からのいじめにもめげず、逞しく成長していく少年を描いたドラマでした。

メロディーは覚えていますが、歌詞はほとんど忘れてしまいました。
その中で、次の一節が、なぜか記憶に残っています。

次郎 次郎 みてごらん
松の根は岩をくだいて生きて行く

そして、こんな一節もあったように思います。

ひとりぼっちの次郎はころぶ
つんつんつんつん凍った堤

もう10年以上前のことになりますが、親しくしていた後輩が、苦労の多いことで知られる、ある自治体に赴任するとき、酒を注ぎながら、
「いろいろなことが原因で、転ぶこともあるかもしれないが、何度でも転んだらいい。転んでも転んでもまた立ち上がって前に進んでいく姿を何度でも何度でも見せれば、周りは変なことをしなくなるかもしれないよ」
と、アドバイスをしましたが、そのとき、この一節を想い起していたように思います。

ときどき、全体の歌詞は忘れてしまったので、「ひとりぼっちの次郎はころぶ」、「次郎 次郎 みてごらん」、「松の根は岩をくだいて生きて行く」の一節を口ずさむます。

先日、2年ぶりに丹生山に登る途中で、松ではありませんが、歌詞の一節を思い起こさせる木の根を見つけました。
澄んだ空気を深く吸い込み、大きな元気をもらいました。
それにしても、松の木は、ずいぶん少なくなってしまいました。