算盤の想い出

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少し前、あるお家を訪ねた時、奥から、古い算盤を出してきてくださいました。
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算盤を見て、もうすっかり忘れていた、昔の想い出が蘇ってきました。

東京に出て、兵庫県出身者が入る 尚志館 に入寮したのですが、このとき、NHKラジオ講座を聴き、算盤の練習をしていたのです。
周りからは「電卓の時代やで」 と馬鹿にされましたが、気にしませんでした。
どうして算盤を練習していたのか。
計算のためというより、単に指を動かしたいだけだったのかもしれません。
それと、
「ゴワサンデネガイマシテハ」
で始まる講師の語り口が、まるで歌を聴いているようで、心地よかったのかもしれません。
そんな浅薄な動機だったので、授業が忙しくなるとサボりがちになり、結局やめてしまいました。

役所に入ると電卓全盛で、私は電卓を左手で速打ちする練習を繰り返し、かなりのところまで腕を上げました。
そんな中で2年目に配属された石川県財政課には、算盤の名手がいました。
遊び半分で誰かがふたりを対決させると言い出し、真夜中、私は受けて立ちました。
名手と私は、確か最大9ケタの数字が並んだ決算統計か何かの表を渡され、合図とともに集計を開始・・・
合計はピタリと一致、所要時間もほとんど差はなく、引き分けに終わりました。

その後、財政畑に配属されなかった私は、あまり集計作業に関わらず、電卓からも遠ざかりました。
電卓練習の成果は、キーボードを打つのに多少は役立っている程度です。
これに対し、算盤が脳の発達に効果があるのは確実です。
今から振り返れば、もう少し算盤を続けていればよかったと悔やまれます。