久元 喜造ブログ

悲劇を乗り越え、国家の再生へ

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ルワンダでは、1994年4月から始まったジェノサイドにより、80万人とも100万人とも言われる人々が殺害されました。国民の10%以上に当たるともされています。

キガリ滞在中、私はジェノサイド記念館を訪れ、駐ルワンダ共和国坂本臨時大使、キガリ市ムカルリザ市長とともに献花を行いました。

犠牲者の多くは、それまでともに暮らしてきた顔見知りの人々の手で殺害されたと言われます。

記念館では、ジェノサイドの背景、経緯に関する多くの資料、例えば、虐殺された子供たちのたくさんの写真がプロフィールとともに展示されていました。

生きたまま焼き殺された8歳の少女が好きだった歌は、「希望を育んでくれる私の祖国よ」だったそうです。

犯罪者の処罰、コミュニティ単位での罪の告白と赦しへの取り組みについても説明を受けました。

報復の連鎖を回避して、憎しみを克復し、融和を図りながら国家の再生を達成することには、想像を絶する困難があると思われます。

そのような困難を乗り越え、国家再生の鍵を握るのが、優れた人材の育成であると考えられています。

また、資源にとぼしいとされるルワンダでは、ICTを柱とした産業と人材育成に大きな努力が傾注されています。

このような分野において、神戸が貢献できるとすれば、それは名誉のことではないかと感じます。