久元 喜造ブログ

『都市政策』震災復興20年特集

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神戸都市問題研究所発行の季刊誌『都市政策』10月号の特集は、「再考 阪神大震災からの復興20年」です。

市街地・住宅復興の足取りはどうであったのか、企業はどのような軌跡をたどって厳しい現実と格闘してきたのか、高齢者見守り活動はどのように展開されてきたのか、NPO・NGOの活動はどのように始まり、現在に至っているのか、神戸市財政は復興の道筋の中でどのように対応してきたのか ― などの課題に関する論文が掲載されていました。
執筆には、学界、行政、行政OBの方々が当たられました。

最初の論文、「阪神大震災における市街地・住宅復興の施策形成と実践 ― 神戸市における被災自治体主導の取り組み ― 」では、地震発生直後からの市役所の動きが克明に綴られます。
震災からわずか2か月後の3月17日には、六甲道、新長田などの震災復興都市計画事業が決定されますが、この間の国、県とのやりとり、住民のみなさんとの折衝などが、関係者への詳細な聞き取りにより、見事に再現されていました。

批判を受けながらも、神戸のまちの復興がスピーディーに進んだのは、戦災復興事業を経験された職員のみなさんの力量が大きく与ったと聞きます。
このときに中心的な役割を果たされた幹部・中堅のみなさんは、すでに引退され、この論文の執筆者に当時の模様を語ってくださいました。

そして、震災からの復興に、係長や担当として苦労を重ねられたみなさんは、いま、市役所の幹部として神戸の都市行政をリードしてくれています。
その経験やご苦労は、三宮や都心の再生、神戸の各地の街づくりに間違いなく生かされていくことでしょう。