久元 喜造ブログ

ルポ保育崩壊

kobayashi

著者は、毎日新聞記者出身のジャーナリスト。
現場取材と詳しいインタビューで構成されています。

タイトルのとおり、保育現場の実態が赤裸々に描かれます。
保育サービスの劣化、疲弊する保育士たち、そして、保育園の厳しい経営状況ですが、保育園の置かれている状況がバランスよく記述されているかどうかは、よくわかりません。

役所の対応にも矛先が向けられます。
どこの自治体も待機児童の数に神経をとがらせますが、認可外保育所の園児は待機児童としてカウントされるため、ある自治体では待機児童の解消のため、次々に認可外保育所を認可しているそうです。

ひるがえって、神戸市では、とにかく待機児童を減らすために、なりふり構わず対応するというやり方はしていません。
待機児童ゼロという目標が自己目的化すると、さまざまな歪みが生じるからです。
神戸市の今年4月1日現在の待機児童は13人ですが、これをゼロにするために無理をすることがないよう、かねてより申し上げてきました。
保育所や認定こども園などの定員枠を広げることにより、結果的に待機児童がゼロになることを目指しています。

震災を経験した神戸市は、子どもたちには「いのちを大切にする子ども」に育ってほしいと願っています。
神戸の保育現場では、この願いを実現するため、公立、私立が手を携えて、実践的な研修を実施し、保育士の資質の向上を図っています。

保育には、量の拡大とともに、質の確保、向上がきわめて重要です。
限られた財源を有効に活用し、保育現場の実態をしっかりと見極め、関係者が知恵を結集して、現状を少しでも改善していきたいと思います。