久元 喜造ブログ

「里山資本主義」 ― 真庭市の挑戦

ベストセラー、『里山資本主義』(藻谷浩介、NHK広島取材班) に、岡山県真庭市の取り組みが紹介されています。
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真庭市は、2009年に9つの町村が合併して出来た市です。人口は約5万人。広大な面積の8割が山林が占め、林業が盛んです。
この真庭市では、山の木を利用することで、エネルギーの自立を促す取り組みが行われています。
その柱が、製材所から出る豊富な木くず ― 木質バイオマスを使った発電です。すでに地元企業が発電施設を建設し、2000世帯分の発電を行っています。
また、木質バイオマスからペレットをつくり、専用のボイラーストーブの燃料として使われています。

真庭市の太田昇市長とは、1990年代、京都府庁で一緒に仕事をしたことがあり、その後もお世話になってきました。
そんなご縁もあり、昨年暮れ、環境局環境貢献都市室の職員二人に真庭市を視察してもらい、詳しい報告を受けました。

神戸市でも、管理が十分でないため環境上、防災上の課題を抱える山林が広がっています。山林の適正管理を進める一環として、間伐材や剪定枝を木質バイオマスとして活用することは意義のあることではないかと考えられます。
神戸市では、林業がほとんど存在しないため、真庭のような民間の製材所や森林組合が主体となって発電などの事業を行うことは困難です。
しかし、北区、西区では農業が盛んですから、間伐材などからペレットを生産し、農業用ボイラーに活用することなどが考えられるのではないでしょうか。
真庭市の取り組みを参考にしながら、神戸の里山の再生とクリーンエネルギーへの活用に踏み出していきたいと思います。