久元 喜造ブログ

「春陽軒」の想い出

11月6日の産経新聞神戸版に、新開地の豚まん専門店「春陽軒」が取り上げられていました。
「神戸・新開地で親子3代、約90年間守り続けている豚まんの味」です。

私が小学生だった頃、「春陽軒」は、湊川公園のすぐ近くにあり、割合に大きな中華料理店でした。もう使われていなかった神戸タワーが近くに聳えていました。
「春陽軒」には母や祖母がよく連れて行ってくれました。豚まんも美味しかった記憶がありますが、お目当ては「火鍋」(ホーコー)でした。ただし、高かったので、特別のときしか口にすることはできませんでした。
芙蓉蟹も大好物でした。あんな綺麗な形をした芙蓉蟹には、その後お目にかかったことがありません。
ワンタン麺もときどき食べましたが、ワンタン麺は、当時、湊川公園東口にあった「蓬莱」の方が好きでした。

余りにも身近な存在だったので、店の由来も知らなかったのですが、記事によると、大正12年創業の老舗だそうです。
「当初は「和風中華料理店」として中華料理を提供していた」が、「20年ほど前、建物が老朽したことから、閉店」・・・・
しかし、「店の再開を望む地元の声の後押しを受け、すぐに・・・豚まん専門店として復活した」とのことです。
今では、午後2時半には売り切れ、閉店になることもある人気店だそうです。

新開地商店街に、「春陽軒」の名前が入ったアーケードがありますが、 4月8日のブログ などでも何回か取り上げた「たこ焼き たちばな」の名前も見えます。
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子どもの頃、この通りにあった「たちばな」にもよく行きましたが、移転後の「春陽軒」と「たちばな」がこの通りで同時に営業していた時期があったとは知りませんでした。

「春陽軒」伝統の味が地元のみなさんに愛され、こうして新聞記事にもなって広く知られることは、昔からのファンの一人としてありがたいことです。