4月4日の日経新聞夕刊一面トップに、神戸市の水素エネルギーの取組みが掲載されました

日経新聞 平成29年4月4日(火)夕刊1面 

水素発電でCO2排出枠
神戸市、企業の取引可能に 環境都市アピール

 神戸市は2017年度末にも、水素エネルギーを利用した発電で削減した二酸化炭素(CO2)の排出量を金銭に換算し、企業が購入できる仕組みを全国に先駆けてつくる。企業が買った量はCO2を削減した分として認め、他の企業への転売も可能にする方針。同市では17年度末から水素を燃料とする電力の日本初の地域供給が始まる。水素エネ普及による都市の環境保全で先行を狙う。
 市は三井住友銀行や有識者と検討チームを設けた。水素によるCO2排出削減量を排出枠として売買できる仕組みを築き18年度の運用開始をめざす。CO2削減に向けた企業の意識を高め「水素社会」実現をめざし、環境保全に先進的な都市をアピール。環境対応型企業の育成にもつなげる。
 神戸市では17年度末に大林組と川崎重工業が水素と天然ガスを使う発電所を人工島のポートアイランドに設け、周辺の公共施設に電力を供給する。電力供給量は約2千世帯分の見通し。この電気を使ってCO2を削減でき、この削減量を「排出枠」として市内に事業所がある企業などが購入できるようにする。
 排出枠の価格はCO2 1トンあたり1500円前後とみられる。公共施設の運営者が企業に販売し、企業同士も売買できるよう想定している。
 排出枠を購入した企業には「環境配慮」を示すマークを付与する方針だ。取引が適切かを認証する事務局の設置も検討する。
 国内では東京都が大規模な事業所にCO2排出削減を義務付け、企業が義務量より多く削減できれば排出枠として販売できる制度を10年に設けた。
 神戸市は企業に義務量は課さないが、国の省エネ規制に対応するほか、環境ブランドを高めるため自主的に利用できる制度にする。 
 市は20年度に神戸港エリアで液化水素の輸入基地も稼動させる計画で、稼働後に水素発電所が増える可能性がある。こうした発電所を利用し、将来は排出枠の利用拡大も期待できる。政府による水素利用の拡大策にも対応し、詳細を詰める。 
 神戸市の久元喜造市長は「CO2抑制やエネルギー源多様化のため、水素社会は我が国の重要テーマ」と強調。同市が水素社会実現への推進役となる意欲を示した。

・二酸化炭素(CO2)の排出枠 排出枠の融通 企業にメリット
  CO2排出量を基準値より多く削減できた場合に、他の企業などに価格をつけて販売できる超過分。CO2削減が進捗した企業などは経済的なメリットを得られる。生産増などの事情で削減を進めにくい企業が効率的に補塡できる手法とされる。
 東京都は一定規模以上の事業所に排出量削減を義務付けたうえで排出枠を取引できる制度を設けているが、国レベルでは導入に至っていない。温暖化対策に積極的な欧州が先行して取引制度に取り組んでいる。

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